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【エネルギー全般・政治経済】

第11次5ヵ年重要技術開発計画 水力発電と原子力発電に重点 (08/02/28)
2008/2/28
中国【エネルギー全般・政治経済】

国家発展改革委員会(NDRC)が先頃公布した「第11次5ヵ年規画・重要技術装備開発生産並びに重要産業技術開発専門計画」は、水力発電と原子力発電の拡大、石炭採掘効率の向上、石炭化学技術の打開や海洋石油採掘の発展等を重点的に支援するとしている。第11次5ヵ年規画はこうしたエネルギー開発や高付加価値材料の独自生産に傾斜することになる。

 特に、エネルギー、材料、機械製造等の分野で8項目の重要技術装備の開発と生産プロジェクトを重点的に展開する。重要技術装備開発生産プロジェクトは、大容量・高水流の水力発電ユニット、100万kW原子力発電設備、石油・天然ガス長距離パイプライン、大型炭鉱の総合採掘設備並びに選炭総合設備、100万トン級大型エチレンプラント、大型石炭化学プラント、大型幅広薄鋼板及び幅広厚鋼板生産用装備、新型船舶並びに海洋石油採掘設備の8項目。

 また、発展改革委員会は第11次5ヵ年規画にエネルギー、環境、資源等の分野で重点的に展開する次の4項目の重要産業技術開発専門計画を打ち出した。

 (1) 省エネ及び新エネルギーの重要技術。建築省エネ、風力、大型海洋風力発電、地熱エネルギー、太陽エネルギーの重要技術開発を支援する。
 (2) 環境技術。工業廃水処理、石炭火力発電所の脱硫、二酸化硫黄排出削減技術、都市ゴミ処理技術等を重点的に開発する。
 (3) 資源の高効率の開発及び総合利用。
 (4) 石油精製と現代的化学工業の重要技術。

 上記の4項目から、経済成長モデル転換の意図を顕著に覗うことができ、省エネと環境保護の新技術の大規模な産業化が期待される。

 発展改革委員会は、中国が独自に知的財産権を有する技術や製品は極めて少なく、導入技術の消化やリノベーションの能力も弱く、独自開発の能力が形成されていないと指摘し、第11次5ヵ年規画に政府の自主革新奨励政策が効果を上げなければ、ハイテクや高付加価値装備は輸入に依存せざるを得ず、国外の技術や装備の大量買入が続き、自主革新の活力にも影響すると警告している。

 (新華網 2月28日)