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【エネルギー全般・政治経済】

エネルギー部新設の可能性が遠のく 根強い反対の声 (08/02/26)
2008/2/26
中国【エネルギー全般・政治経済】

 英国「フィナンシャル・タイムズ」のRichard McGregor記者は、次のようにエネルギー部の新設の可能性が遠のいているとの見通しを示した。

 エネルギー部新設は、官僚と国有企業による利益集団の反対に遭っている。エネルギー部新設は、エネルギー供給のみならず、汚染や温暖化ガスの削減にとって決定的に重要であると一般に見られているが、このような反対によって、エネルギー部の早期成立の可能性は遠のき、たとえ成立したとしても、その発言力は不十分なものになる。

 エネルギー部の新設は「エネルギー法」とともに来月の全人代で決議されるはずであったが、先延ばしになる公算が大きい。

 「エネルギー法」起草チームの顧問である肖国興は、反対者の多くは一部の部・委員会と国有企業関係者であり、彼等は自身の権力と利益を失うことを恐れているから反対するのだと見ている。また、エネルギーコンサルタント機関である北京群鷹創業科技の韓暁平氏も、全人代でエネルギー法が決議される可能性はあるが、エネルギー部の早期成立の可能性はほとんどないと表明している。韓暁平氏によると、エネルギー部支持の声は反対の声よりもはるかに小さい。

 現在、エネルギー政策は主に、国家発展改革委員会(NDRC)と国家エネルギー指導小組弁公室が握っているが、エネルギー部が成立すると、NDRCにとって大きな脅威になる。また、中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)や国家電網などエネルギー業界で主要な地位を占める国有企業にとっても、エネルギー部は脅威になる。

 エネルギー部新設の構想は、より広範な行政改革の一環である。この行政改革は、政府の機能を簡素化して、新たな政策の重点を確立することを趣旨としている。改革では、多くの部・委員会を統合する一方で、環境監督管理機構を部クラスに昇格させ、その政治的影響力を増強させることが構想されている。しかし、断固たる反対の声が増える中、こうした改革を推進することは極めて困難になっている。

 (中国能源網 2月26日)