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【石油・天然ガス】

中国 石油製品輸出の増値税全額還付が10年ぶりに再開 (16/11/07)
2016/11/7
中国【石油・天然ガス】

 11月4日、財政部と国家税務総局は石油製品(ガソリン・軽油・ジェット燃料)の輸出に対する増値税の還付率を11月1日より17%に引き上げることを通達した。卓創の石油製品アナリストである胡慧春氏によると、加工貿易による石油製品輸出に対する増値税の全額還付が再開されたことになる。

 中国能源網の韓暁平首席情報官は次のように指摘した。以前は国内の石油供給がタイトであり、国は輸出を奨励せず、税還付の面で比較的厳格な措置を採っていたが、最近は国内の石油製品の需給関係に変化が生じ、例えば軽油の国内供給は需要を上回っている。今回の措置は税還付によって企業の収益を改善させ、軽油の輸出を奨励するものである。

 また、胡慧春氏は次のように述べた。国内の石油製品は深刻な過剰を来しており、今回の措置は輸出を奨励することで過剰を緩和することが狙いである。しかし、近年、中国の石油製品消費税は絶えず引き上げられ、低油価の下では、消費税の占める比率はますます大きくなっている。消費税は生産企業に比較的大きい影響を与えている。そのため、消費税には手を付けず増値税を全額還付するだけで輸出を奨励しても関連生産企業に対する効果には限りがある。

 もっとも、胡慧春氏によると、需給関係の影響で企業は依然石油製品の輸出を拡大することになり、一部の周辺国にも石油製品の需要がある。中国からアジア太平洋地区への石油製品輸出は大きくなっている。今年1〜9月のアジア太平洋地区へのガソリンと軽油の輸出量は1,400万トンを超えて、すでに昨年の年間輸出量を上回った。金銀島訊のマーケットアナリスト李楊氏によると、中国の石油化学産業の拡大は続いており、国内の需給ゲームも持続して、今後の石油製品輸出量は高い水準を維持することになる。中国の石油製品市場が徐々に開放され、出荷価格の国際連動が徐々に進むと、中国の石油製品の「走出去」(対外進出)もますます積極的になり、順調に進むことになる。中国の石油製品の品質向上に伴って、欧米のハイエンド市場を開拓することも難しいことではなくなる。

 但し、韓暁平氏によると、中国の石油製品生産能力は過剰であるが、一部の石油製品は輸入が必要である。製油過程において付加価値の高い製品は中国のネックであり、依然外国からの輸入が必要である。また、石油製品の要件と標準は国によって異なり、そのため、中国の製油企業も自身の能力向上を図り、様々なニーズに対応できるようにしなければならない。

 (網易財経 11月7日)