工業情報化部原材料工業司の周長益司長は10月25日、石油化学産業スマート製造並びにスマート化学工業団地建設現場交流会において、工業情報化部がスマート製造標準体系の全体枠組みを提示したことを明らかにした。現在各産業のスマート製造標準の策定が急がれており、第一陣の汎用標準の事業化がすでに展開されている。石油化学産業のスマート製造とスマート化学工業団地も第一陣の標準化事業に盛り込まれる見通しである。

　周長益司長によると、工業情報化部は企業を集めて、工業イーサネット、工場の無線通信の応用、工業クラウドコンピューティング、工業ビッグデータ等の分野でイノベーションと応用実証を展開するとともに、スマート製造実験実証専門行動と合わせて、10件の工業インターネット実験事業を選定した。これにより、工業インターネット実験検証プラットフォーム、工業インターネットの鍵になるリソース管理プラットフォームや工業インターネット商用伝達データ管理プラットフォームの建設を支援する。今年のスマート製造実験事業では、鎮海煉化と双星集団の化学企業2社を工業インターネット実験地点にすることを明確にしている。

　周司長によると、石油化学産業は情報化とスマート化では先頭集団を走っており、スマート製造はあらゆる分野で全面的に推進されている。一定の規模以上の生産企業の90％超が過程制御システムを応用しており、生産最適化システム、製造執行システムや企業リソース計画管理システムも幅広く応用されている。

　工業情報化部は2年連続でスマート製造実験実証専門行動を実施しており、2期合わせて109件の実験実証事業を確定した。うち石油化学工業は11件になる。昨年は石油化学、タイヤ及び化学肥料企業が対象になり、今年は石油・天然ガス採掘、石炭化学工業、塩素アルカリ、フッ素化学工業、リン化学工業等の企業が追加された。

　また、昨年の天津8・12爆発事故以降、工業情報化部は都市人口密集地区の危険化学企業の移転・改修専門事業を立ち上げている。

　周司長によると、工業情報化部はこの移転・改修事業においてスマート化改修を行うことを明確にしており、特に企業の安全水準を視野に情報化、自動化、スマート化に向けた改修を進める。例えば、魯西集団の移転・改修事業では合成アンモニアや尿素等の老朽生産能力を淘汰すると同時にポリカーボネートやナイロンなど高付加価値事業を建設し、スマートファクトリーも建設した。また、天津渤海の移転プランにはスマート製造システムの設計も盛り込んでいる。今回の現場交流会では、工業情報化部が聊城新材料産業パークと嘉興港区にスマート化学工業団地実験実証機関のプレートを授与した。周司長の指摘によると、安全と環境保護が保障されている化学工業団地に入居することで危険化学品企業の移転は意義あるものになり、情報化技術こそが正に工業団地の安全と環境保護問題を解決する最良の手段である。中国石油化学工業聯合会の傅向昇副会長によると、中国の既存の化学工業団地502ヵ所において、団地の情報化とスマート化の殆どは入居企業が自ら行っているため、団地の管理機関と入居企業の連動が出来ず、各業務システムの大多数は閉鎖的に運営され、「孤島」現象が深刻である。スマート化学工業団地の建設は、団地内の行政管理能力を向上させ、情報の共有を実現し、都市、団地、企業の統計分析、アラーム、循環経済、戦略発展等の意思決定に寄与する。

 　（新華網 11月1日）