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【エネルギー全般・政治経済】

2020年の中国のエネルギー総消費を46億tce、石炭消費を35億トンに抑制せよ NDRC楊富強顧問 (16/11/11)
2016/11/11
中国【エネルギー全般・政治経済】

 先般北京で開催された「第3回中国石炭消費総量規制並びにエネルギー転換国際シンポジウム」において、Natural Resources Defense Council(NDRC)の楊富強(Yang Fuqiang)上級顧問は「石炭規制戦略実施の長期性」と題する講演を行い、次のように提唱した。有効な石炭規制を着実に実施することで、中国のエネルギー総消費に占める石炭の比率は、2015年の64%から2020年には55%以下に下がる。石炭消費量は35億トンに抑えなければならない。そうすることで、生態環境の改善を効率的かつ低コストで実現し、公衆の健康を最大限に保護し、省エネを実現し、パリ協定が打ち出した気温2℃抑制目標を達成できる。

 楊富強氏は次のように表明した。

 過剰生産能力の解消にせよ、未来の石炭生産計画にせよ、いずれも長期的な問題である。NDRCの研究によると、石炭規制シナリオの下で、中国の石炭消費は実際には2013年にピークに達している。2025〜2030年には石油消費もピークに達する可能性がある。さらに、2040年には天然ガスもピークに達し、非化石エネルギーの比率は化石エネルギーを超えて52%に達する。中国の炭素排出は、基準シナリオの下では基本的に2020年にピークに達するが、石炭規制シナリオの下ではこの目標はより早く実現することになる。それでも2050年には中国の炭素排出量は50億トン近くに達する。パリ協定の気温2℃抑制目標を考慮すると、さらに強化を続けることが必要であると考える。NDRCは2020年の中国の石炭規制目標について、標準炭換算で23億tce、実物量で35億トンを打ち出した。これは以前に提出された石炭規制に比べると急進的な措置になるが、発展状況を見る限り、実現可能と見るべきである。石炭のシェアは2015年の64%から55%に下がる。エネルギー総消費も46億tceになる。石炭規制シナリオは石炭を3億tce余り削減することで達成できる。3億tceの削減のうち、構造調整による石炭削減と石炭の高効率利用、言わば減量化が72%を占め、クリーン化が10%、代替化が17%前後になる。石炭規制目標が継続強化され、非化石エネルギーが増加すると、2030年には減量化の割合は50%で済み、代替化が40%を占めることになる。そのため、代替化の増加に伴い、再生可能エネルギーと天然ガスが飛躍的に発展するだろう。

 (中国能源網 11月11日)