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【石油・天然ガス】

「ティーポット」製油所の貢献でロシアがサウジを抜き中国への最大の原油供給国に(17/01/26)
2017/1/26
中国【石油・天然ガス】

 2016年、ロシアはサウジアラビアを抜いて、中国への最大の原油供給国となった。これは、本日発表された中国税関当局の統計が示す通り、ティーポットと通称される中国の独立系製油所からの需要増によるところが大きい。2016年にロシアの会社が中国向けに輸出した原油の量は、平均105万bpdであり、2015年から25%増加した。


 同年、サウジアラビアから世界第2位の石油消費国である中国への原油出荷量は、平均102万bpdであり、2015年比0.9%と微増した。ティーポットからの需要が堅調を維持する限りは、2017年もロシアが中国への最大の原油輸出国であり続ける可能性が高い。中国は、サウジアラビアとの長期契約による制約はあるが、小規模の製油所は、ロシアの原油輸出会社が提示するより柔軟な輸出条件や、ロシアの輸出ネットワークでの地理的な近さといった優位性を取り込んで、ロシアを選好している。

 ロシアの輸出ネットワークの内、最大規模のものは東シベリア−太平洋間パイプライン(the East Siberia-Pacific Ocean pipeline:ESPO)であり、このルートでの東方への原油の流れは今年も増加が見込まれている。ESPOパイプラインの流量拡大計画に加えて、ロシアは、2016年12月からOPECとの交渉結果に基づいて、かなり低い生産削減義務量の下に生産を続けることができるという優位性に恵まれている。一方、サウジアラビアは、ほぼ50万bpdに達する生産削減を行わなければならない。

 2016年、中国の原油輸入総量は過去最大となった。国内需要の64%超を海外からの原油で賄っており、この傾向は、向こう4年間は続くと見られている。2015-2020年の5ヶ年計画で、原油の輸入総量は、17%増加すると予測されている。概ね国内生産量の減退を背景とした予測であるが、生産量の減退自体は、油田の成熟化や生産コスト高騰の結果であると考えられる。

 巨大な国営石油会社CNPCによると、2017年だけでも原油の国内需要は1,200万bpdに達し、5.3%の輸入増が必要となってくる。

 (Business Insider 1月26日)