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タイ電力公社EGAT、石炭火力プラント建設計画を始動(17/3/15)
2017/3/15
アジア【石炭】

 先日プラナット・チャンオチャ首相の指示を受けて、タイの電力公社EGATは3カ月以内にクラビ石炭火力発電所について新たな健康影響評価(EHIA)及び港建設に関する環境影響評価(EIA)を実施すると発表した。第3者による評価事業について、すぐに入札が開かれる予定である。EGAT代表のKornsit Pakchotanon氏によると、再調査には2年間を要すると予想され、2021年に開始予定とされていた建設計画は2024年開始へと延期される模様である。

 上記内容を発表する前に、EGATはコンビュータ犯罪法に基づき、「石炭火力発電による汚染は住民の健康を害し、疾病や死亡の原因になりうるもので、EGATは住民の健康を無視した石炭火力発電所計画を進めている」との主張をインターネット上に載せた15人の環境保護活動家に対して名誉毀損訴訟を起こした。

 抗議団体や野党からは石炭発電からガス発電に転換するようにと要望が出ているが、Kornsit氏によると国産ガスは急速に枯渇に向かっており、ガスを用いるならば輸入に頼るしかない現状にあるとのことである。EGATは、ガス発電を採用する場合には、新規の発電所だけでなくガスの輸入に必要な受入ターミナル、ガスパイプライン、貯蔵設備などの建設も必要になるため、より大掛かりな建設工事となり、膨大な費用がかかるだけでなく環境への影響も現行計画よりも広範囲に及んでしまい、非現実的であるとの見解である。また、工期が大幅に遅れたため、タイ南部の電力不足を防ぐには隣国マレーシアからの電力の購入量を拡大する必要がある。

 (Bangkok Post 2017年3月15日)