内蒙古のDMEとメタノールを渤海湾まで輸送する長距離パイプラインが着工される見込みである。内蒙古発展改革委員会の関係者によると、現在、計画立案と実証が進められているとのこと。具体的なルートは未だ確定していない。

　中国のDMEとその上流の原料であるメタノールの生産は、内蒙古を中心とする西北地区や山西省など北方地区に集中しているが、需要のセンターは沿海地区である。

　新奥集団筋によると、DMEの輸送コストは1トン・1ｋm当たり0.5〜0.9元であるが、パイプラインによる輸送だと、約0.2元に下がる。

　中煤能源、中国石化及び申能集団は連名でオルドスに300万トンのDMEプロジェクトを建設することを発表した。一方、新奥集団も含め内蒙古でもメタノールやDMEプロジェクトが計画されている。2006年末のDME生産能力は48万トン、生産量は32万トンに達していたが、さらに、2010年までには生産能力が982万トン増えて、1,580万トン以上になると予想される。

　DME販売価格は国内液化ガスや輸入液化ガスよりも著しく安く、LPGが1トン6,000元余りであるのに対し、DMEは約4,000元、メタノールも3,000元余りであり、確かに一定の競争力を備えている。しかし、現時点では輸送費が高いため、パイプラインという安価な方法で西部の資源を東部に輸送するようにしなければ、DMEの競争力を際立たせることは出来ない。

　（第一財経日報 3月6日）