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【新エネルギー】

徐錠明エネルギー弁公室副主任「エネルギーの長征は避けるべき」 (08/03/06)
2008/3/7
中国【新エネルギー】

 先頃開催された「中国DMEサミットフォーラム」の席上、国家エネルギー指導小組弁公室の徐錠明副主任は、エネルギーの長距離輸送はエネルギー開発の規律にそぐわないと指摘し、特にDME等の代替エネルギー開発に当たっては輸送距離に注意すべきであるとして、代替エネルギーが最終的に実現できるかどうか、使用できるかどうかは技術と市場に委ねるべきと述べた。

 徐錠明副主任は、エネルギー業界が電力、石油、石炭の「長征」(長距離輸送)をもてはやしていることに懸念を示し、昨今の「長征」には止むを得ないところがあるが、長距離輸送はセキュリティの問題に関わるだけでなく、エネルギーと資源の浪費をもたらすと指摘し、エネルギーの規律を研究するとともに、エネルギー輸送の距離をめぐる問題を考慮しなければならないと強調した。

 国家発展改革委員会(NDRC)が先頃公布した石炭化学工業関連政策は、5万トン以下のDMEプロジェクトを新規に建設してはならないと規定している。つまり、DMEの生産能力の相当部分は、長距離輸送によって消化することが必要になる。しかし、DMEの輸送距離に対する制限がないため、各地で小規模のDMEプロジェクトが依然立ち上げられている。徐錠明副主任は、DMEの輸送距離を文書によって規定することは不可能であり、たとえ文書を公布しても実際には逸脱が生じるとして、結局は技術と市場に委ねるべきであると指摘した。

 但し、徐錠明副主任は、DME事業の参入基準を制定すべきであると述べ、中国石化協会の陳衛国氏も同フォーラムにおいて、国家基準の起草作業が進められていることを明らかにした。陳衛国氏によると、DMEをめぐっては、都市建設基準と化学工業基準がすでに適用されているが、この2つの基準だけでは不十分であり、DME国家基準の制定が不可欠であると述べた。

 国家発展改革委員会の文書は、DMEは中国のエネルギー構造に適した代替燃料であり、その開発に当たっては、石炭を原料とすることに立脚して、大規模化、大型化を進めるべきであると規定している。

 (中国能源網 3月6日)