ロイター4月10日付報道によると、中国政府は貿易企業に対し、北朝鮮から来た石炭を返送するよう命令し、多数の貨物船が同日、北朝鮮西部の南浦港へ追い返された。

　北朝鮮炭の最大の輸入業者である丹東誠泰によると、中国税関当局が北朝鮮炭の返送命令を出したのは4月7日であった。丹東誠泰は各港湾に60万トンの北朝鮮炭を有し、合計200万トンの北朝鮮炭が中国の複数の港湾に滞留している。

　中国は2月に北朝鮮炭の輸入を全面的に禁止した。石炭は北朝鮮にとって最も重要な輸出品であり、中国が最大の輸入元である。

　トムスンロイターEikonのデータによると、大部分の北朝鮮船舶は、威海や蓬莱など中国の石炭港を離れ、殆どは貨物を満載したたま北朝鮮へ戻りつつある。

　中国は北朝鮮炭の不足を補うため、米国からの輸入を大幅に増やしている。米国から中国への原料炭の輸出は、2014年末〜2016年中はなかったが、今年2月下旬には40万トン以上に急増した。

　オーストラリアの世界有数の原料炭鉱区が台風の被害を受けて以来、中国の鉄鋼企業は米国からの石炭調達を増やすことを余儀なくされている。

　（同花順財経 4月11日）