今年に入ってから、国際石炭価格は最高値を更新している。今後は、主要石炭供給国であるオーストラリアや南アフリカ共和国の生産量は、インフラ面の制約によって大幅な拡大が期待できず、一方、中国、インドネシア、ベトナム等は日増しに増加する国内需要を賄うため、徐々に輸出を減らすことになる。そうしたところから、国際石炭価格は長期的に見てなお上昇する余地が大きい。 2008年の一般炭価格は130ドル/t、前年比約134%の上昇となり、コークス用原料炭の契約価格は前年比160%高い250ドル/t以上になる見込みである。 現在、中国国内で市場化が最も進んでいるのはコークス用原料炭であるが、国際価格の大幅な上昇によって、コークス用原料炭の内外価格差は倍以上になっている。国際価格との連動という視点から見れば、国内のコークス用原料炭価格も見直しを迫られるだろう。 中国の石炭企業は3月に2008年の契約価格について日本などの需要家と交渉を開始するが、中国政府が石炭輸出を推奨していないことを考慮すると、中国の石炭企業は大幅な値上げを期待することができ、契約価格は日本とオーストラリアの間の契約価格を上回るだろう。中国石炭企業の2008年の石炭輸出価格は130ドル/t以上になると見込まれており、2007年の67.9ドルに比べると90%以上もの上昇になる。 中国の上場企業の中では、中国神華と中煤能源が一般炭価格の大幅な上昇によって最大限の利益を享受できるだろう。特に中国神華の場合、2007年の石炭輸出量が2,400万トン、平均輸出価格が63ドル/tであったことを考えれば、輸出価格の上昇分だけでも、税引き前の利益が90億元近く増えることになる。 (国際能源網 3月7日)
今年に入ってから、国際石炭価格は最高値を更新している。今後は、主要石炭供給国であるオーストラリアや南アフリカ共和国の生産量は、インフラ面の制約によって大幅な拡大が期待できず、一方、中国、インドネシア、ベトナム等は日増しに増加する国内需要を賄うため、徐々に輸出を減らすことになる。そうしたところから、国際石炭価格は長期的に見てなお上昇する余地が大きい。
2008年の一般炭価格は130ドル/t、前年比約134%の上昇となり、コークス用原料炭の契約価格は前年比160%高い250ドル/t以上になる見込みである。
現在、中国国内で市場化が最も進んでいるのはコークス用原料炭であるが、国際価格の大幅な上昇によって、コークス用原料炭の内外価格差は倍以上になっている。国際価格との連動という視点から見れば、国内のコークス用原料炭価格も見直しを迫られるだろう。
中国の石炭企業は3月に2008年の契約価格について日本などの需要家と交渉を開始するが、中国政府が石炭輸出を推奨していないことを考慮すると、中国の石炭企業は大幅な値上げを期待することができ、契約価格は日本とオーストラリアの間の契約価格を上回るだろう。中国石炭企業の2008年の石炭輸出価格は130ドル/t以上になると見込まれており、2007年の67.9ドルに比べると90%以上もの上昇になる。
中国の上場企業の中では、中国神華と中煤能源が一般炭価格の大幅な上昇によって最大限の利益を享受できるだろう。特に中国神華の場合、2007年の石炭輸出量が2,400万トン、平均輸出価格が63ドル/tであったことを考えれば、輸出価格の上昇分だけでも、税引き前の利益が90億元近く増えることになる。
(国際能源網 3月7日)