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【石油・天然ガス】

中国 2017年の石油製品輸出枠が大幅に縮小 (17/04/19)
2017/4/19
中国【石油・天然ガス】

 今年に入ってから、石油製品の輸出が全面的に引き締めに向かっている。先頃、2017年度第2期石油製品輸出枠が通達されたが、地方製油所の石油製品輸出が一時停止にされただけでなく、大手4社の石油製品輸出枠も大幅に縮減された。中国の石油製品生産能力は深刻な過剰を来しており、昨年の石油製品輸出は過去最高になった。しかし、今年から石油製品輸出に対する制限が始まり、中国石油天然ガス(CNPC)と中国石油化工(SINOPEC)は一般貿易方式による石油製品輸出を開始した。

 先日、商務部は2017年第2期石油製品輸出枠を通達した。総輸出枠はわずか333.5万トンであり、前期比73.5%、前年同期比77.14%の大幅な縮小になった。総輸出枠の中でジェット燃料は240.5万トン、72.11%を占め、ガソリン輸出枠は24万トン、軽油輸出枠は69万トンであった。

 また、今回は地方製油所への輸出枠がなく、CNPCも輸出枠からはずされ、輸出枠を獲得したのはSINOPEC、中国海洋石油(CNOOC)及び中化集団(SINOCHEM)だけであった。

 統計によると、2016年末時点の中国の常減圧製油能力は7.64億トン/年になるが、同年の原油精製量は5.41億トンであり、過剰生産能力は2.23億トンに上る。こうした中、昨年から地方製油所の石油製品輸出が解かれ、山東地区の地方製油企業4社が石油製品輸出枠を獲得した。2016年の中国の実際の石油製品輸出は過去最高を記録し、ガソリン、ジェット燃料、軽油等の輸出総量は3,200万トン近くに上った。

 しかしながら、2017年に入ると、第1期石油製品輸出枠から地方製油所がはずされただけでなく、輸出枠全体も大幅に縮小された。2017年第1期と第2期の加工貿易による石油製品輸出枠は1,573.5万トン、2016年同期のわずか44%になった。

 卓創資訊のアナリスト胡慧春氏によると、2017年の通年の加工貿易による石油製品輸出枠は2016年に比べて著しく減少することになり、政策面で徐々に引き締めが進む。山東の地方製油所の石油製品輸出枠は停止され、大手4社の輸出枠も大幅に縮小する。

 注意すべきは、石油製品の輸出が制限されるが、石油製品の生産能力過剰問題はますます厳しくなるということである。

 胡慧春氏によると、第13次5ヵ年計画期に中国の製油能力は1.35億トン/年増えることになり、製油能力過剰局面を緩和することは難しい。一方、第13次5ヵ年計画期の中国の経済成長率は6.5〜7%になり、石油製品、特に軽油の末端需要に影響が及ぶことは確実であり、国内の石油製品市場は依然として供給過剰局面が続く。

 統計によると、2016年の中国ガソリン輸出は生産量の7.43%を占め、軽油輸出は生産量の8.6%を占めた。石油製品の輸出は依然として国内の供給過剰を解決する有効な道筋である。

 先日、SINOPECは13年ぶりに一般貿易方式による石油製品輸出を再開した。CNPCは先に、一般貿易による石油製品輸出を再開していた。2017年1〜2月に、CNPC傘下の大連石化、錦西石化、遼陽石化が一般貿易方式によってガソリンと軽油の輸出を行った。但し、一般貿易方式の占める割合は極めて小さく、加工貿易(委託精製)が依然としてガソリンと軽油の主要な輸出方式である。

 2016年の石油製品輸出の中で、CNPCのガソリンと軽油の輸出は34.92%を占め、CNPCは石油製品輸出でSINOPECに次いで第2位を占めた。

 CNPCの関係者によると、国が石油製品輸出枠を全面的に縮小すると、CNPCは今後、一般貿易方式による石油製品輸出に転換するかもしれない。収益の面から見ると、一般貿易の場合、都市建設費や教育付加費など所定外のコストがかかり、しかも、海外で原料を調達する加工貿易方式に比べて資金コストも高くなり、一般貿易方式は止むを得ない次善の策になる。

 胡慧春氏によると、石油製品の供給過剰の下で、石油製品輸出枠の縮小が続く場合、CNPCとSINOPECは一般貿易方式による石油製品輸出を増やすことになるだろう。

 (新浪財経 4月19日)