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【石油・天然ガス】

シェブロンがバングラデシュの3ガス田を20億ドルで中国コンソーシアムに売却 (17/04/26)
2017/4/26
中国【石油・天然ガス】

 シェブロンは4月24日、バングラデシュ所在の3つの天然ガス田を中国コンソーシアムに20億ドルで売却すると発表した。

 シェブロンはバングラデシュのBibiyanaガス田、Jalalabadガス田及びMoulavi Bazarガス田を完全売却する。これら3つのガス田はバングラデシュの天然ガス総生産量の50%以上を占める。シェブロンによると、これらの天然ガス田を中国コンソーシアムが保有する喜馬拉雅能源(Himalaya Energy)に売却する。なお、この中国コンソーシアムには中国国有企業の振華石油と国新控股有限責任公司が含まれている。

 油価低迷の影響で、シェブロンは2016年には1987年以来のマイナス成長に陥り、現在2年がかりの資産分離計画を進めている。2016年と2017年に50〜100億ドルの資産を売却する計画であり、インドネシアとフィリピンの地熱事業やバングラデシュの天然ガス田も対象になる。

 振華石油のスポークスマンは今回の取引を認めつつ、取引完了には中国商務部の承認が必要であるとした。関係者によると、振華石油は国新控股と協力しているため、今回の買収において極めて高い競争力を備えることになった。

 振華石油は2003年の創立であり、石油・天然ガス探査開発、石油産業投資、石油貿易、石油化学、石油製品の貯蔵及び輸送等を業務としている。国新控股有限責任公司は2012年に香港に設立され、中国政府の投資プラットフォームとして、中国企業の海外投資を専門的にサポートしている。

 振華石油のオフィシャルサイトによると、同社の稼動中の油田の生産量は現在1,000万トン近くに上るが、今回の買収が成功すると、年間石油・天然ガス生産量は2,000万トン以上になり、振華石油は中国第4の石油・天然ガス生産企業になる。また、今回の案件は南アジアにおける中国の重要エネルギー投資案件になる。

 しかしながら、今回の取引には一定の不確実性も存在している。バングラデシュ政府が取引に対して拒否権を有しているからである。関係筋が明らかにしたところでは、バングラデシュ政府は国営石油・天然ガス鉱産資源公社(Petrobangla)を通して上掲の天然ガス資産を買い取ることを希望しており、現在、複数の国際銀行と協議している。

 バングラデシュのNasrul Hamidエネルギー鉱産相は、シェブロンと振華石油の合意については知悉していないとしながら、バングラデシュが当該資産に対して第一の優先権を有しているとした。

 (経済参考報 4月26日)