1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

CNPCが複数の「一帯一路」石油・天然ガス協力協定に調印 天然ガス業務に重点 (17/05/18)
2017/5/18
中国【石油・天然ガス】

 中国石油天然ガス集団(CNPC)は先日、複数の「一帯一路」石油・天然ガス協力協定に調印した。これらの協定なパイプライン輸送、天然ガスの買入、ガス備蓄タンクの建設、天然ガス化学工業、天然ガス発電など多数の分野を対象とし、いずれも天然ガスに関連している。アナリストによると、CNPCは国際協力を通して、天然ガスの上流と下流の開発に積極的に参画しようとしている。

 CNPCが今回調印した協力協定は天然ガスの供給、輸送、上流と下流全体のニーズを網羅し、具体的には、アゼルバイジャン天然ガス化学事業の投融資協力了解覚書やウズベキスタン・ガズリガスタンク協力了解覚書が包摂される。卓創資訊の天然ガス産業アナリストである馮海城氏によると、CNPCが今回調印した一連の協定は、売買契約とガスタンクの建設によって、国産ガスの生産能力とピーク調整能力の不足を補い、エネルギー供給の多元化を保障することが可能になる。同時に天然ガス化学や天然ガス発電等の事業建設によって、天然ガス市場の需要を刺激し、天然ガスの下流分野の延伸を促すことになる。

 業界関係者によると、CNPCは天然ガス産業の計画配置を強化して、新たな成長材料を見出そうとしている。CNPCの2016年の純益は前年比78.88%下がった。CNPCは上流資産の割合が大きいため、油価の変動から大きな影響を受ける。そのため、CNPCは天然ガス業務の強化を絶えず進めている。

 当面の状況を見る限り、「中国石油御三家」のいずれも、天然ガス部門の成績は比較的良好である。

 2015年以降、国際油価の持続的低迷は、上流業務の比重が高いCNPCと中国海洋石油(CNOOC)に相対的に大きい衝撃を及ぼした。CNPCとCNOOCは2016年に7割以上の減益になったが、一方、中国石油化工(SINOPEC)は上流業務の比重が比較的小さく、製油や石油製品販売、化学工業に依存しているため、2016年は44%の増益になった。

 CNOOCの天然ガス販売量は26%下がったが、CNPCの販売量は16%、SINOPECの販売量は3%増えた。「石油御三家」の天然ガス販売収入は種々の要因により、全体として10%以上下がったものの、天然ガス部門は相対的に良好である。馮海城氏によると、天然ガス業務の発展によって油価低迷がもたらすリスクを部分的に回避することが可能になる。

 2017年には、CNPCは陝西・北京第4パイプライン、中露ガスパイプライン東線及び天然ガスパイプライン支線と販売ターミナル等の事業に力を入れる。一方、SINOPECは涪陵シェールガス田事業(生産能力100億m3/年)や天津LNG事業(第1期取扱規模300万トン/年)への投資を進め、CNOOCも引き続き天然ガス市場の開拓を進めるとともに、ガス田の探査開発を強化する。

 (新浪財経 5月18日)