1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

「一帯一路」クロスボーダーM&A研究レポートが発表 (17/05/31)
2017/5/31
中国【エネルギー全般・政治経済】

 5月31日、トムソンロイター、中国社会科学院及び清華大学が共同で《一帯一路クロスボーダーM&A研究レポート》と《一帯一路クロスボーダーM&A強度指数》を発表した。

 このレポートはトムソンロイターのM&Aデータベース“The Thomson. Reuters Mergers & Acquisitions”をベースにM&Aに焦点を当て、地域と産業の2つの視点から、「一帯」(シルクロード経済ベルト又は陸のシルクロード)と「一路」(21世紀海上シルクロード又は海のシルクロード)に分けて、2000〜2016年における「一帯一路」沿線諸国のM&Aの現状及び全体状況について整理するとともに、中国企業が買収側として「一帯一路」沿線諸国のM&Aでどのような役割を演じているかについて考察している。

 レポートによると、2000〜2016年に「一帯」沿線諸国を対象とするクロスボーダーM&Aの規模は「一路」沿線国を上回った。また、中国のM&Aはエネルギー産業、電力及び原材料産業に偏っている。中国が「一帯」沿線諸国に対して行ったM&Aは8,231.51億ドル、52.58%を占めたが、M&A累計件数では「一路」が「一帯」を上回った。

 「一帯一路」諸国への世界のM&A金額の業種別上位3位は、金融、エネルギー、通信サービスであった。

 金融業でM&A件数が最も多かったのは米国であり、また、日本は工業と原材料分野のM&A件数が比較的多かった。一方、中国はエネルギー産業、電力及び原材料産業のM&Aに偏っていた。中国が「一帯一路」諸国に対して行ったM&Aは、2014年の22.64億ドルから、2016年には97.55億ドルに増加し、2016年には米国と日本を抜いて最も主要な買収側になった。

 既存の案件のデータを見ると、米国のクロスボーダーM&Aは、取引件数は多いが、金額は分散している。一方、中国のクロスボーダーM&Aは金額が集中しており、金額の大きいM&Aが相対的に多く、一定のリスクが潜在している。

 「一帯一路」諸国に対する中国のM&Aは金額の面では高度に集中しており、対象国上位5ヵ国は、カザフスタン、ロシア、イスラエル、シンガポール、エジプトである。上位5ヵ国のM&Aは総額の78.07%を占めた。

 地域別の分布をみると、中国の「一帯」沿線諸国に対するM&Aは、金額では「一路」諸国を上回ったが、M&A件数では「一路」諸国が「一帯」諸国を上回った。

 (中国証券網 5月31日)