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【エネルギー全般・政治経済】

中国の1兆ドルの投資は「一帯一路」の新興エネルギー市場を開く (17/06/02)
2017/6/2
中国【エネルギー全般・政治経済】

 5月14〜16日、北京で第1回「一帯一路」国際サミットフォーラムが開催され、中国は1兆ドルのインフラ投資事業によって欧州・アジア・アフリカの関係諸国の発展を促進することを提唱した。中国の「一帯一路」が重点を置く発展途上国は今後のエネルギー需要の最も主要なソースになる。そのため、「一帯一路」対策の重心が未来の世界エネルギー構造を根本から変える。

 政府が最近発表したレポートによると、中国の「一帯一路」諸国に対するFDI(金融を除く)のうち3分の1はエネルギー分野に投入されている。「一帯一路」という新しいイニシアチブによって理論上は再生可能エネルギー事業により多くの発展の機会がもたらされるが、従来型の電力技術や化石燃料も「一帯一路」が恩恵を受けると予想される。もっとも、「一帯一路」イニシアチブの有無に関わらず、中国の再生可能エネルギー企業の世界市場への進出は止まらない。

 今回のフォーラムでは、中国はグリーン「一帯一路」計画も公布し、原子力開発をめぐる協力を拡大すること、グリーン発電技術の普及において政府調達の役割を強化すること、企業による持続可能性の高いグローバルサプライチェーンを推進することを強調した。

 中国国内の市場チャンスの減少と生産能力過剰状況の激化を受けて、中国の電力開発業者は化石燃料発電技術、特に石炭火力発電技術及び設備の輸出に大きな関心を寄せている。こうした中で、中国は「中国以外の地区」で石炭火力発電事業の最大の投資国になっている。

 国内の電力グリッド運営業者最大手の国家電網公司とその傘下の多数の子会社は海外新興市場に打って出ることを渇望しており、将来は「一帯一路」地域に大規模な投資を行うことになる。

 「一帯一路」イニシアチブの推進過程において、中国はチャレンジに直面しなければならないが、中でも地政学的な問題が主要なチャレンジになる。例えば、「中国パキスタン経済回廊」プロジェクトのため、インドは「一帯一路」サミットフォーラムへの参加を拒否した(インドと国境を接する6ヵ国はいずれも参加した)。

 関連データ

 中国の2016年の「一帯一路」諸国へのFDI(金融を除く)…145億ドル
 2015〜16年における中国の「一帯一路」諸国へのPV輸出額…76億ドル
 2015年時点の中国の「一帯一路」諸国における石炭火力発電開発事業の総設備容量…24.5GW

 (中国能源網 6月2日)