今や中国製油産業の生産能力過剰問題は突出しており、一部の生産能力は退出か転換を迫られている。先日上海で開かれた第3回中国石油・化学工業持続的発展フォーラムにおいて、専門家は石油製品需要の伸び率が大幅に鈍化しているが、芳香族炭化水素やオレフィン等の基礎有機化学原料は依然大きな不足を来しているとの見方を示し、製油企業に対し「燃料型」から「化学工業型」へモデルチェンジとグレードアップを進めるよう呼びかけた。
石油化学工業規画院の白頤副院長は次のように指摘した。世界の製油企業の平均稼動率83%をもとに試算すると、中国の過剰製油能力は1億トンになる。中国の毎年の石油製品消費量3.15億トン、石油製品の収率65%、稼動率80%として試算すると、合理的な製油能力な年間6.1億トンになるが、現在の中国の製油能力は年間7.48億トンであり、毎年の過剰は1.38億トンに上る。中国の製油産業の生産能力過剰率は概ね13〜18%である。
今後の中国の経済成長率、自動車保有量、ガス自動車及び電気自動車への転換など様々な要素を勘案すると、2020年の国内の石油製品需要は3.7億トン、年平均伸び率は約3.5%である。石油製品の収率65%、稼動率80%として試算すると、2020年の適正な製油能力は年間7.1億トンになるが、2020年には全国の製油能力は年間8.2億トン前後に達すると予想され、過剰生産能力は1.1億トンを維持し、依然深刻な過剰傾向が続く。
近年、輸入原油使用権と原油輸入権の「両権」が国営製油企業以外の企業に対しても逐次開放が進み、地方製油企業の製油能力がさらに増える。2016年末時点で国は地方製油所に年間8,193万トンの原油使用枠を割り当てており、地方製油所の稼動率上昇が続いている。製油市場の競争主体の多元化傾向がますます鮮明になっている。同時に国内石油製品価格の仕組みが完備され、石油製品の市場化プロセスが徐々に速くなっている。地方製油所は価格優位と機敏な経営によって、多方位的に石油製品の販売チャンネルを広げ、石油製品市場のシェアを着実に高める一方、主要製油所のシェアは低下が続き、国内の石油製品市場競争がますます白熱化している。
製油能力の不断の拡大の一方で、中国の石油製品需要の伸びは徐々に鈍化している。2016年の中国の石油製品消費量は2億8,948万トン、対前年比の伸び率は5.0%であった。うちガソリンの伸び率は12.3%であったが、軽油はマイナス1.2%になった。
燃料の代替も国内石油製品市場の競争を激化させている。近年、代替燃料が急速に発展し、交通分野では代替の多元化傾向が現れ、天然ガスを主としつつ、電気自動車、メタノール、バイオ燃料や石炭液化油など多様なエネルギー発展構造が徐々に形成されている。新エネ車に対する補助金は徐々に引き下げられているが、低炭素・環境保護の理念や技術性能は絶えず高まっており、そのため、新エネ車はなお十分な魅力を備えている。
独自ブランドの新エネ車企業である雲度新能源汽車公司の劉心総経理(社長)によると、新エネ車は今や人々の日常生活に溶け込んでいる。技術面から見ても、中国の独自の電気自動車技術は海外の伝統的自動車メーカーとの格差が小さく、国際競争は恐れるに足りない。
専門家によると、国内の製油能力が深刻な過剰を示し、石油製品需要の伸び率が大幅に鈍化しているが、芳香族炭化水素やオレフィン等の基礎有機化学原料は依然大きな不足を来している中で、中国の製油企業にとって「燃料型」から「化学工業型」へのモデルチェンジとグレードアップがすでに大勢になっている。
白頤氏の予想によると、国際油価は長期的に1バレル50〜60ドルで推移し、第13次5ヵ年計画期には中国の石油化学産業は4〜5%の伸び率を維持し、構造調整が加速する。
「当面は製油能力の拡張には慎重が必要だ」と白頤氏は言う。中国の石油化学工業分野の産業構造調整は長期的かつ差し迫ったものになり、第13次5ヵ年計画期にはスピードアップすると予想される。今後、製油産業の任務は石油製品の大量生産から、高品質の石油製品のニーズを満たす方向へと徐々に転換する。同時にオレフィン、芳香族炭化水素等の基礎化学原料製品の比率を高め、もって下流のハイエンド新材料や専用化学品、精密化学品工業の発展に向けて、より質の高い原料を保障することになる、石油化学産業の発展空間をさらに広げ、産業全体の質と収益の向上、モデルチェンジとグレードアップを促進する。
専門家は中国の化学新材料とハイエンド専用化学品の研究開発と生産を強化すべきとも提言した。白頤氏によると、ハイエンド専用化学品の発展方向は高性能と環境保護になる。ハイエンド専用化学品は専用化学品全体の約30%を占め、およそ3分の1を輸入に依存している。
(経済参考報 6月12日)
今や中国製油産業の生産能力過剰問題は突出しており、一部の生産能力は退出か転換を迫られている。先日上海で開かれた第3回中国石油・化学工業持続的発展フォーラムにおいて、専門家は石油製品需要の伸び率が大幅に鈍化しているが、芳香族炭化水素やオレフィン等の基礎有機化学原料は依然大きな不足を来しているとの見方を示し、製油企業に対し「燃料型」から「化学工業型」へモデルチェンジとグレードアップを進めるよう呼びかけた。
石油化学工業規画院の白頤副院長は次のように指摘した。世界の製油企業の平均稼動率83%をもとに試算すると、中国の過剰製油能力は1億トンになる。中国の毎年の石油製品消費量3.15億トン、石油製品の収率65%、稼動率80%として試算すると、合理的な製油能力な年間6.1億トンになるが、現在の中国の製油能力は年間7.48億トンであり、毎年の過剰は1.38億トンに上る。中国の製油産業の生産能力過剰率は概ね13〜18%である。
今後の中国の経済成長率、自動車保有量、ガス自動車及び電気自動車への転換など様々な要素を勘案すると、2020年の国内の石油製品需要は3.7億トン、年平均伸び率は約3.5%である。石油製品の収率65%、稼動率80%として試算すると、2020年の適正な製油能力は年間7.1億トンになるが、2020年には全国の製油能力は年間8.2億トン前後に達すると予想され、過剰生産能力は1.1億トンを維持し、依然深刻な過剰傾向が続く。
近年、輸入原油使用権と原油輸入権の「両権」が国営製油企業以外の企業に対しても逐次開放が進み、地方製油企業の製油能力がさらに増える。2016年末時点で国は地方製油所に年間8,193万トンの原油使用枠を割り当てており、地方製油所の稼動率上昇が続いている。製油市場の競争主体の多元化傾向がますます鮮明になっている。同時に国内石油製品価格の仕組みが完備され、石油製品の市場化プロセスが徐々に速くなっている。地方製油所は価格優位と機敏な経営によって、多方位的に石油製品の販売チャンネルを広げ、石油製品市場のシェアを着実に高める一方、主要製油所のシェアは低下が続き、国内の石油製品市場競争がますます白熱化している。
製油能力の不断の拡大の一方で、中国の石油製品需要の伸びは徐々に鈍化している。2016年の中国の石油製品消費量は2億8,948万トン、対前年比の伸び率は5.0%であった。うちガソリンの伸び率は12.3%であったが、軽油はマイナス1.2%になった。
燃料の代替も国内石油製品市場の競争を激化させている。近年、代替燃料が急速に発展し、交通分野では代替の多元化傾向が現れ、天然ガスを主としつつ、電気自動車、メタノール、バイオ燃料や石炭液化油など多様なエネルギー発展構造が徐々に形成されている。新エネ車に対する補助金は徐々に引き下げられているが、低炭素・環境保護の理念や技術性能は絶えず高まっており、そのため、新エネ車はなお十分な魅力を備えている。
独自ブランドの新エネ車企業である雲度新能源汽車公司の劉心総経理(社長)によると、新エネ車は今や人々の日常生活に溶け込んでいる。技術面から見ても、中国の独自の電気自動車技術は海外の伝統的自動車メーカーとの格差が小さく、国際競争は恐れるに足りない。
専門家によると、国内の製油能力が深刻な過剰を示し、石油製品需要の伸び率が大幅に鈍化しているが、芳香族炭化水素やオレフィン等の基礎有機化学原料は依然大きな不足を来している中で、中国の製油企業にとって「燃料型」から「化学工業型」へのモデルチェンジとグレードアップがすでに大勢になっている。
白頤氏の予想によると、国際油価は長期的に1バレル50〜60ドルで推移し、第13次5ヵ年計画期には中国の石油化学産業は4〜5%の伸び率を維持し、構造調整が加速する。
「当面は製油能力の拡張には慎重が必要だ」と白頤氏は言う。中国の石油化学工業分野の産業構造調整は長期的かつ差し迫ったものになり、第13次5ヵ年計画期にはスピードアップすると予想される。今後、製油産業の任務は石油製品の大量生産から、高品質の石油製品のニーズを満たす方向へと徐々に転換する。同時にオレフィン、芳香族炭化水素等の基礎化学原料製品の比率を高め、もって下流のハイエンド新材料や専用化学品、精密化学品工業の発展に向けて、より質の高い原料を保障することになる、石油化学産業の発展空間をさらに広げ、産業全体の質と収益の向上、モデルチェンジとグレードアップを促進する。
専門家は中国の化学新材料とハイエンド専用化学品の研究開発と生産を強化すべきとも提言した。白頤氏によると、ハイエンド専用化学品の発展方向は高性能と環境保護になる。ハイエンド専用化学品は専用化学品全体の約30%を占め、およそ3分の1を輸入に依存している。
(経済参考報 6月12日)