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中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国のエネルギー消費総量 2030年まで増加が続き2050年までにターニングポイント (17/06/12)
2017/6/12
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国工程院の研究レポートによると、今世紀の最初の10年間に中国のGDP年平均成長率は10.5%に達したが、一次エネルギー消費総量の年平均増加率も8.4%に達し、15億tce(標準炭換算トン)から32.5億tceへと2倍以上に増えた。2030年まで中国のエネルギー消費総量は増加が続き、2030年以降になってようやく中国の経済成長はエネルギー消費の増加との「デカップリング」を実現する見込みである。

 6月9日、中国工程院の重大諮詢事業《エネルギー生産並びに消費革命戦略の研究》の成果が北京で発表された。

 この事業は2013年5月に開始され、中国国内の90近くの機関から305名の専門家(39名の院士含む)が研究に参加した。

 研究レポートはエネルギーの生産と消費革命を推進するため、中国は「3ステップ」の発展の歩みを踏むべきであると提言している。

 第1ステップ:2020年までのエネルギー構造最適化の時期において、主に石炭のクリーンで高効率で持続可能な開発と利用を進め、老朽化生産能力を淘汰し、石炭利用の集中度を高める。2020年にはエネルギー消費の比率を石炭6:石油ガス2.5:非化石エネルギー1.5とする。

 第2ステップ:2021〜2030年のエネルギー領域の変革期において、主にクリーン・エネルギー、特に再生可能エネルギーを石炭に取って代わらせる戦略を取り、2030年のエネルギー消費の比率を石炭5:石油ガス3:非化石エネルギー2とする。

 第3ステップ:2031〜2050年をエネルギー革命の決定期とし、「需要の合理化・開発のグリーン化・供給の多元化・配分のインテリジェント化・利用の効率化」という新型エネルギー体系を形成する。2050年のエネルギー消費の比率を石炭4:石油ガス3:非化石エネルギー3とする。

 事業の責任者である謝克昌元中国工程院副院長によると、2030年までは中国のエネルギー消費総量は増加が続き、2030年以降になって、中国の1人当たりGDPは徐々に先進諸国の歴史において発生した1人当たりエネルギー消費の「ピーク」の範囲に達して、経済成長とエネルギー消費の「デカップリング」が実現する。工業部門のエネルギー消費のピークは2020年頃に発生し、建築部門では2030年頃になる。交通部門のエネルギー消費のピークは2035〜40年に実現する見込みである。こうしたところから、レポートは中国が2030〜2050年にエネルギー消費総量の「ターニングポイント」が発生すると指摘している。

 (中国能源網 6月12日)