1. HOME
  2. 中国 【エネルギー全般・政治経済】

中国
【エネルギー全般・政治経済】

ベールを脱いだ国務院機構改革案 国家能源委員会、国家能源局、環境保護部が新設 (08/03/11)
2008/3/11
中国【エネルギー全般・政治経済】

 3月11日、全人代は国務委員兼国務院秘書長・華建敏による国務院機構改革案の説明を聴取した。

 今回の国務院の機構改革案によると、工業情報化部、交通運輸部、人的資源・社会保障部、環境保護部、住宅・都市建設部が新設され、これに伴い、従来の国防科学技術工業委員会、情報産業部、交通部、人事部、労働社会保障部、建設部、国家環境保護総局等は統廃合される。この改革により、国務院は、弁公庁を除き、27部門から構成されることになる。

 エネルギー部が新設されるかどうかで成り行きが注目されていたエネルギー管理機関強化問題について、国務院は、今回の改革で、ハイレベルの議事調整機関として国家能源委員会を設けるとともに、国家能源局を設置して発展改革委員会がこれを管轄するという案を打ち出した。

 国家能源局は、エネルギー産業計画、産業政策並びに基準の策定と実施、新エネルギーの開発、省エネの促進等を主に担当する。国家能源委員会弁公室の業務は国家能源局が担当する。エネルギー管理と経済社会発展計画並びにマクロ調整の緊密な結合と統一的な計画立案を促進する見地から、国家能源局は、国家発展改革委員会が管轄することになる。

 華建敏秘書長は今回のエネルギー管理部門の機構改革について、次のように説明した。

 「エネルギーは国家の経済と民生、経済社会の持続可能な発展と国家の安全保障に密接に関わる。日増しに拡大するエネルギー需要や国際エネルギー情勢に適切に対応することは、長期的に直面しなければならない戦略的な課題である。エネルギー問題は様々な領域、多くの部門に波及する。エネルギー戦略の決定と統一的計画との協調を強化するため、ハイレベルの議事調整機関として国家能源委員会を設ける。国家能源委員会は、国家エネルギー開発戦略を研究し、エネルギーセキュリティ並びにエネルギー開発における重要問題を審議する。また、エネルギー産業管理を強化するため、国家能源局を設置する」

 また、環境保護部の新設(国家環境保護総局の昇格)について、華建敏秘書長は、今後相当長期にわたって中国は深刻な環境圧力に直面し、汚染排出の削減は困難な任務になると指摘した上で、環境管理と生態保護を強化し、省資源型、環境配慮型社会の建設を加速しなければならないとして、環境政策、環境計画や重要問題の統一的計画と協調を強化するため、環境保護部を新設すると説明した。

 なお、国務院機構改革案は「国務院組織法」に基づき、今月15日に全人代で決議される予定である。また、国家能源局等の設置については、同じく「国務院組織法」の規定に基づいて、新たに組織される国務院が審査、承認することになる。

 (新華網 3月11日)