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中国
【石油・天然ガス】

社会科学院青書「中国は条件が整えば天然ガス人民元システムを逐次推進」(17/06/26)
2017/6/26
中国【石油・天然ガス】

 中国社会科学院は6月26日に発表した青書で、中国が特殊な地政学的優位、天然ガス消費の面でのアジアの独自性や天然ガス生産国との良好な関係を利用して、人民元を決済・価格計算通貨とする地域的な天然ガス交易システムを創建する可能性があるとの予想を示した。

 中国社会科学院国際エネルギー安全研究センターと社会科学文献出版社は6月26日、北京で《世界エネルギー青書:世界エネルギー発展報告(2017)》を発表した。同青書によると、近年、産業構造の調整と環境対策等の目標に導かれる形で、中国の天然ガス消費の伸び率は一次エネルギー消費の伸び率を上回っているものの、一次エネルギー消費に占める天然ガスの比率はわずか6%前後であり、世界平均水準である24%の4分の1に過ぎず、中国の化石エネルギーの内部構造は依然として不合理である。

 青書の指摘によると、世界のエネルギーは石油から天然ガスに転換しつつあり、天然ガス価格は石油との連動の仕組みから必然的に離脱する。中国は国内に天然ガスの国際取引センターを形成するとともに天然ガス人民元のシステムを逐次広げる条件があり、その必要もある。

 青書の編集主幹を務めた中国社会科学院国際エネルギー安全研究センターの黄暁勇主任の予想によると、世界の天然ガスの供給過剰と需要の増加に伴い、中国に代表されるアジア市場が世界の天然ガス需要に占める比率は現在の32%から向こう20年以内に50%に上昇する。

 「中国の総合国力と経済的影響力のさらなる上昇に伴い、人民元も地域的な通貨から徐々に国際通貨へと進化する。天然ガスは人民元の国際化の最良の足場になれるかもしれない。『天然ガス人民元』システムを確立することによって、中国のエネルギーと金融のセキュリティを強力に守ることになる」と黄暁勇主任は言う。

 青書は2016年の世界のエネルギーの基本情勢や、石油、天然ガス、石炭、新エネルギー並びに電力の供給、需要、価格の現状と特徴についても整理を進め、国際エネルギー市場に影響する重要な要素についても分析を進めている。また、2017年の国際エネルギー市場の動向と中国のエネルギー情勢についても考察している。

 (中国新聞網 6月26日)