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【石油・天然ガス】

中国社会科学院青書 石油・天然ガス企業の「走出去」はエネルギーナショナリズムに直面 (17/06/29)
2017/6/29
中国【石油・天然ガス】

 中国社会科学院研究生院、国際エネルギー安全研究センター、社会科学文献出版社の共催により《世界エネルギー青書:世界エネルギー発展報告(2017)》の発表会が北京で開かれた。

 世界エネルギー青書によると、2008年の金融危機以降、世界でエネルギーナショナリズムが台頭している。エネルギーナショナリズムは国有化と自国の利益の最大化に集約される。中国企業が海外で資源買収を大挙して進めると、一部資源国の焦慮や恐慌さえも引き起こす。例えば、一部資源国の世論は、売り払った資源や企業の価値が低く見積もられているのではないか、国の資源の命脈が中国によって断たれるのではないか、国の安全保障に脅威を及ぼすのではないかと懸念する。

 世界エネルギー青書の指摘によると、目標とする資源国の法律や経済面の制約と障害がますます多くなっている。一方、「走出去」(対外進出)が相対的に遅く、先行者の優位がない中国の石油企業にとっては海外鉱区の獲得はますます難しくなっている。中国の石油企業が「走出去」に際して、西側の石油企業が参入したくもない市場に参入しているが、こうした国や地区は往々にして政治的リスクが大きい。また、資源国は自身の利益のため、「自分は肉を食い他の人には骨をかじらせる」。こうした資源国は種々の法規や制限条項を制定して、協力鉱区の開発を難しくし、経済収益を下げている。エネルギーナショナリズムは普遍的な現象であり、特定の国に限ったものではない。ウィン・ウィンの理念を基礎に実際の行動によって疎隔と矛盾を解消することが「走出去」の大きな課題の1つになる。

 (人民網 6月29日)