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【石炭】

中国の石炭由来エタノールはバイオエタノールよりトン当たり800元安い? コスト面の優位は鮮明か (17/09/25)
2017/9/26
中国【石炭】

 中国は関連計画に基づき、2020年には全国範囲で自動車用エタノールガソリンのフルカバーを基本的に実現することになる。その恩恵はバイオエタノールだけでなく、石炭化学工業の石炭由来エタノールにも及ぶと見込まれる。

 専門家の指摘によると、石炭由来エタノールはバイオエタノールに比べて、コスト面で一定の優位を備えており、燃料エタノールの需給ギャップがますます拡大する状況では、石炭由来エタノールが燃料エタノール開発の新たな道筋を開き、高速成長期を迎えると期待される。

 石炭由来エタノールは、石炭液化、SNG(石炭由来代替天然ガス)、コール・トゥ・オレフィン(CTO)、石炭由来グリコールに次ぐ石炭化学工業の重点的発展方向になり、コストの優位に依拠してバイオエタノールと直接競争することになる。

 東方証券のアナリストによると、石炭由来エタノールのコスト面の優位は顕著であり、バイオエタノールに比べて1トン当たり300〜800元安い。バイオエタノールのコスト4,700〜5,600元/トンに対し、石炭由来エタノールのコストは一般に4,000〜4,200元/トンであり、穀物系エタノールへの補助金や消費税の減免等を計算に入れても、石炭由来エタノールはなお顕著な優位を備えている。

 業界関係者の予測によると、将来はバイオエタノールと石炭由来エタノールの比はおよそ3:1になるだろう。中国は石炭資源が豊かであり、2016年末時点の可採埋蔵量は1.6兆トン、2016年の新規確認埋蔵量は400億トン、生産量は33.6億トンに達し、いずれも世界第1位である。

 2020年に全国範囲で自動車用エタノールガソリンのフルカバーを実現するという目標が燃料エタノールの需要を喚起する。国は「省エネを優先し、国内に立脚し、石炭を基礎にし、多元的に発展する」というエネルギー政策を堅持して、石炭化学工業の発展に力を入れることになる。石炭由来エタノールの将来の発展基盤が固められる。

 上掲のアナリストによると、エタノールガソリンの普及に伴って、燃料エタノールの需給ギャップは拡大傾向を呈することになり、石炭由来エタノールはスタンダード化が進み、発展のチャンスを迎える。

 (中国煤炭資源網 9月25日)