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【エネルギー全般・政治経済】

中国は2030年には自動車の電動化を実現 BYDが予測 (17/09/25)
2017/9/25
中国【エネルギー全般・政治経済】

 ロイター9月21日付報道によると、BYDは中国の自動車産業が2030年にはよりクリーンな新エネ車(NEV)へと転換すると予想している。世界最大の自動車市場における従来型自動車メーカーにとっては、差し迫った、挑戦に満ちた日程表になる。

 BYDの王伝福董事長(会長)は9月21日、中国の自動車市場は2030年には電動化を完了すると表明した。新エネ車は電気自動車からマイルドハイブリッド車に到るまで幅広い車種をカバーすることになる。BYDはウォーレン・バフェットの支援を受けて、早くから新エネ車市場のパイオニアになっている。

 現段階では、世界各国の自動車メーカーは政府の計画に呼応して、ガソリンエンジンからクリーンなエコカーへの転換を実現しようとしている。こうした流れは自動車産業の巨大な変革になるが、転換の具体的な時期は未だ確定していない。英国とフランスは先頃、ガソリン車とディーゼル車の生産と販売を2040年から禁止すると表明した。

 王伝福董事長は深圳で、「BYDはあらゆる計画(化石燃料自動車の淘汰を指す)について十分自信を持っている。しかも、この計画は予想よりも早く実現する。各国の政府すでに化石燃料車の販売を停止する計画を発表しており、このことは全ての自動車メーカーにとって圧力になる」と述べた。

 中国はすでに電気自動車とプラグインハイブリッド車の目標を策定しており、2015年には自動車総販売量の中でEVとPHEVを少なくとも5分の1にする計画である。これは、大気汚染を減らすとともに、新興の国内自動車メーカーと世界の競争相手との格差を縮めることが狙いである。

 但し、自動車産業全体が電気自動車へ転換するペースについてはあまり楽観できないと見るメーカーもある。9月に中国を訪問したGMのCEOは、新エネ車への転換を順調に進めようとするなら、政府の不断の支援の下でなければ不可能であり、しかも政府が強制的に実施するのではなく、消費者のニーズの転換を推進しなければならないと表明した。しかしながら、中国はBYDも含む新エネメーカーへの補助金の撤廃を徐々に進めており、そのため、BYDは今年に入ってから大幅な減益になっている。世界の自動車メーカーも中国に対し新エネ車への転換のペースを下げるよう呼びかけている。

 (中国自動車工業協会 9月25日)