1. HOME
  2. 中国 【石油・天然ガス】

中国
【石油・天然ガス】

中国石油化工:第1四半期は確実に減益 政府からの助成に期待 (08/03/14)
2008/3/14
中国【石油・天然ガス】

中国石油化工(SINOPEC)は14日、製油部門以外の、石油・天然ガスの採掘や、サービス・ステーション、化学工業部門の収益は良好であり、巷間伝えられている第1、第2四半期には赤字に転落するとの見方を事実無根であるとして否定した。但し、同筋によると、第1四半期の業績は昨年に比べ確実に低下する。

 SINOPECの周原副総経理(副社長)は先頃、原油価格が1バレル100ドルになると、同社の赤字はガソリン1トンにつき2,000元になり、軽油の赤字はさらに大きくなると表明していた。前出のSINOPEC筋は、同社の製油部門の収益は市場環境と国家の政策によって決まると指摘している。現在、国際油価は100ドル以上で推移しており、短期間で大幅に下落する可能性はない。それどころか、最高150ドルに達する可能性もある。そのため、昨年第3四半期以来、中国石油化工(SINOPEC)の製油部門は大幅な赤字になっているのである。

 現在、地方の製油所の多くは生産を停止している。作れば作るほど赤字が増えるからである。地方の製油所が精製するのはほとんどが重油であり、生産される石油製品の質は低い。高品質の石油製品を作るには原油から精製する必要がある。SINOPECは国の石油製品供給を保障する責任があり、赤字でも生産しなければならない。

 製油部門は、原油価格が高くなればなるほど赤字が増える。但し、SINOPECは、石油・天然ガスの採掘や、サービス・ステーション、化学工業部門の収益がいずれも良好である。上流の原油採掘部門は油価高騰の中で際立った利益を上げている。全国最大のサービス・ステーションのネットワークを有するSINOPECの優位も依然健在である。下流の化学工業製品についてもコストを転嫁することが可能である。

 そのため、製油部門の赤字は間違いないが、上流、下流全体では赤字になることはあり得ない。

 但し、SINOPECは依然、政府からの助成措置に期待している。同社は助成を受けるかどうかや、その金額については未だに明らかにしていない。一方、油価高騰の中で、次の石油製品価格引き上げはいつになるのか、あるいは石油製品価格決定の仕組みはいつ、どのような形に改められるのかという問題はSINOPECの業績にとって極めて重要なポイントになる。

 (中国証券報 3月14日)