11月9日、中国燃気集団は米国のLNG企業Delfinと法的拘束力がないMOUに調印した。中国燃気はDelfinから15年間の長期LNG契約に調印する意向である。LNG輸入量は年間300万トン、約45億m3になる（1トンのLNGをガス化すると1,495m3の天然ガスを得ることが出来る）。

　統計によると、2016年に中国が米国から輸入したLNGは約20万トンであった。今回の300万トンの長期契約が実行されると、米国は中国にとって主要天然ガス供給国になる。

　2016年の中国の天然ガス輸入量は700億m3であったが、IEAの専門家によると、2022年には天然ガス輸入量は1,400億m3に達すると予想される。中国は国内へのガス供給を確保するためには、いたるところでガス源を探さなければならない。

　現在、中国の主な天然ガス源は中央アジアガスとLNGである。中央アジアガスはパイプラインによって輸送され、LNGは海上からLNGタンカーで輸送される。パイプラインに比べると、LNG輸入、特に価格で優位を占める米国からのLNG輸入は好ましい選択肢になる。

　パイプラインガスは中国の西部から中国へ入り、東部の主要天然ガス消費市場へ送るには全中国を横断しなければならない。これに対し、LNGは東部の発達した都市へ直接到着することが出来る。消費市場に近いので、LNGは中国が天然ガスを輸入する上で優れた選択肢になる。2016年の通年のデータを見ると、米国のLNGのCIF価格は1.4元/m3であり、一方、パイプラインガスの平均価格はは1.27元/m3であった。この差額は長距離パイプラインの輸送コストによっても相殺できない。

　（中国能源網 11月24日）