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【省エネ・環境】

中国国務院機構改革 生態系保護+汚染管理に新たな構造 (18/03/14)
2018/3/14
中国【省エネ・環境】

 3月18日、国務院機構改革案が第13期全人代第1回会議に提出され、審議された。同改革案に基づき、自然資源部と生態環境部が新設される。

 今回の改革では、自然資源部は国有天然資源資産管理の職能を担うとともに、主体機能区と都市・農村管理の職能も追う。一方、生態環境部は自然生態系監督管理の職責を負う。旧環境保護部の自然保護の職責は自然資源部に移され、旧国土資源部や農業部等に属していた汚染規制の職能は生態環境部に集中させる。

 1. 機構の再編は職責の統合から

 中国の環境保護の職責は3つに区分されるが、これまで資源保護の職責は国土資源部や林業、水利等の部門に分散し、汚染防止の職責は環境保護部や海洋、農業、公安等の部門に分散していた。また、総合調整管理は発展改革委員会、財政部、国土資源部等の部門に分散していた。今回の改革では、資源保護と汚染防止の職能を統合して新しい部門を設けるとともに、総合調整管理の職能を分割し、計画については自然資源部に、気候変動と排出削減については生態環境部に帰属させる。

 2. 生態系保護は計画を先行

 今回の改革では都市や地域など関連計画の職責を自然資源部に一本化し、都市発展における自然保護の重要な役割を際立たせて、今後の生態系保護と都市発展の一元的な建設を進める上で地ならしを行う。

 3. 汚染管理は監督管理を強化

 今回の管理ではこれまで分散し職責が交差していた汚染管理工作を一元的に自然管理部の管理に組み入れるとともに、最も重要で核心的な職責として位置付ける。自然資源部及び生態環境部の職責の中でも次の3つの点は注目に値する。

 第1に自然資源部への省エネ・排出削減の組み入れ。排出削減と排出基準の引き上げは汚染規制の2つの大きな手立てであるが、これまで発展改革委員会と環境保護部がそれぞれ管理し、排出削減と排出基準引き上げのバランスを取ることが大きな課題であった。今回の統合は両者のバランスの取れた発展にとって有効であり、生産制限の差別化と排出基準の引き上げ改造対策がより一層整然と推進されることになる。

 第2に、自然資源部への農業汚染管理の職責の組み入れ。中央一号文書(中国共産党中央委員会が各年度の最初に通達する政策文書)と政府工作報告の中で農業汚染管理の重要性は再三強調されている。今回農業汚染管理を自然資源部の職責に組み入れることは、農村の居住環境整備行動を展開する上で有効であり、農村の衛生環境と「トイレ革命」が今後の対策の重点になる。

 第3に環境保護監督管理と督励査察の職能の明確化。今回の機構改革案は、生態環境部の環境保護監督管理と督励査察に対する中核的な職能を明確にしており、これは環境保護督励査察をさらに強化する上で有効である。

 (北極星環保網 3月14日)