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中国
【石油・天然ガス】

中国は石油外交によって周辺のあらゆるパイプラインを掌握…露紙 (08/03/20)
2008/3/21
中国【石油・天然ガス】

 3月18日付ロシア紙は次のような論説を掲載した。

 天然ガスパイプライン建設をめぐるイラン、パキスタン、インドの交渉は数年間にわたって続けられているが、印パの関係はもとより良好でなく、イランが参加するあらゆるプロジェクトは困難に直面しているため、交渉は予断を許さない。しかし、イランは天然ガス輸出を拡大するよう希望し、一方、インドやパキスタンもエネルギーを渇望している。そのため、3国は問題や不満を棚上げして、交渉のテーブルに着いているのである。

 この「平和」と名づけられているガスパイプラインは全長2,670km、イランからパキスタンとインドに当面、年間2,100万m3の天然ガスを輸送するが、その後は輸送量を5,000万m3に拡大することになる。工費は75億ドル。2011年に運転を開始する予定である。

 しかし、印パ問題は依然としてネックとなる。例えば、インドとパキスタンは2国間の天然ガス輸送契約に調印していない(この契約が成立しなければ、3国の合意を実行に移すことができない)。もっとも、パキスタンは、契約成立をめぐって両国間にはいかなる障害も存在しないとしている。

 契約は結局3国間のものになるが、但しその当事者はインドではなく、中国である。天然ガスの臭いを嗅ぎ付けて漁夫の利を得るのは中国になろう。パキスタンのエネルギー相は中国のパイプライン建設参加を示唆している。正確に言えばもう1つのパイプライン建設計画であり、パキスタンと中国の専門家がパイプラインのルートにつき検討している。もしそうなれば、パイプラインがインドに行くことはあり得ない。中国とパキスタンが遠慮会釈もなく、2,000万m3の天然ガスを持って行くことになる。

 中国の石油外交は、ベネズエラからアフリカに至るまで、そして、シベリアからペルシャ湾に至るまで全て成功を遂げている。中国周辺地域のあらゆるパイプラインは次第に中国によって掌握されつつある。

 (環球網 3月20日)