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中国
【新エネルギー】

中国の木質系バイオ燃料開発が生物の多様性に影響する可能性も (08/03/24)
2008/3/25
中国【新エネルギー】

2007年7月、中国は再生可能エネルギー中長期開発計画を公布した。同計画は、食糧供給への影響を防ぐため、トウモロコシや大豆によるバイオエタノールやバイオディーゼルの生産は行わないとしているが、キャッサバや甘コーリャンによるエタノール生産や、ヤトロファ由来のバイオディーゼルなど非穀物系バイオ燃料の開発は奨励している。再生可能エネルギー中長期開発計画の公布に伴い、中国石油天然ガス集団(CNPC)、国家林業局、さらに雲南省、四川省などの地方政府に至るまで、次々とバイオ燃料プロジェクトに乗り出している。

 だが、こうした動きに対し、専門家は森林や休耕地を利用する中国のバイオ燃料生産が生物の多様性に対して脅威になる可能性があるとの警告を打ち出した。

 3月7日に北京で開催された生物多様性と気候変動国際シンポジウムにおいて、中国・欧州生物多様性プロジェクト首席技術顧問のSpike Millington氏は、中国がバイオ燃料開発を計画している西南地区は中国にとって正に最後の天然森林地帯であると指摘した。重慶市環境保護局自然生態保護処の専門家である陳盛梁氏もまたMillington氏の見解に賛同し、単一の樹種が急速に生長すると、野草などその他の植物の生長を抑制することになると述べた。清華大学環境学部の劉雪華副教授は、いわゆる休耕地といえども様々な野生植物が生長していると指摘した。

 Millington氏は、生物の多様性に対するこのような潜在的な脅威に対しては、環境評価によって、生物の多様性の高い地区と、多様性が低くヤトロファなど燃料作物に適した地区を区別すべきであるとの考えを示した。

 (中国生物技術信息網 3月24日)