ロイター（Reuters）が5月27日に報じたところによると、欧州連合（EU）は27日、2030年から欧州に輸入される石油・天然ガスにメタン排出規制を適用する法案を承認した。国際サプライヤーにもメタン排出削減を強く迫る方針。

 　メタンは天然ガスの主成分で、温室効果ガス（GHG）の一種。GHGの中でも二酸化炭素に次いで排出量が多いとされている。メタン排出源は自然由来と人為由来に分類され、人為由来の中でも特に排出量が多いとされるのが、農業部門（稲作や家畜の消化管内発酵など）とエネルギー部門（石油・天然ガス・石炭プラントからの漏出など）。

 　この法案はEU農相理事会で最終承認され、ハンガリーのみ反対票を投じた。2030年以降、欧州市場に流通する化石燃料に対して、サプライチェーンで排出される単位当たりのメタン排出量である「メタン原単位の最大値」が設定される。具体的な数値は2030年までに決定される。

　輸入業者が規制を遵守しない場合は、加盟国の管轄当局が輸出業者に対し行政罰を科す権限を有することになる。このため、米国、アルジェリア、ロシアなどの天然ガス主要供給国に大きな影響を与える可能性がある。

 （Reuters　5月27日）