英紙フィナンシャル・タイムズ（Financial Times）は6月17日、米国のバイデン政権は、今夏のガソリン価格の高騰を食い止めるため、戦略石油備蓄（SPR）を再放出する用意があると報じた。同政権は11月の大統領選を前にインフレ抑制に努めている。

 　米大統領上級顧問（エネルギー・投資担当）のエイモス・ホクスタイン氏は、ガソリン価格は「多くの米国人にとってまだ高すぎる」とし、「もう少し値下がりして欲しい」と語った。

 　同氏はSPRについて「エネルギー安全保障という本来の目的を果たすために必要な水準に向けて、来年まで購入を続けるつもりだ」と述べた。

 　バイデン政権は2022年、ロシアのウクライナ侵攻に伴う原油価格高騰を抑えるためにSPRから過去最大となる1億8000万バレルを放出し、SPRは40年ぶりの水準に落ち込んだ。今年に入り、エネルギー省は毎月約300万バレルをSPR向けに購入している。

 （Financial Times　６月17日）