国際エネルギー機関（IEA）は10月22日に発表した報告書で、東南アジア諸国が気候変動目標を達成するためには、クリーンエネルギー分野への投資を2035年までに現在の約5倍に相当する1,900億ドルに引き上げる必要があるとの試算をまとめた。

　同報告書では、東南アジアでは、エネルギー投資の拡大に伴い、比較的新しい石炭火力発電所からの二酸化炭素（CO2）排出量の削減が不可欠になると指摘している。また、エネルギー安全保障と気候変動目標の達成を目指す上で、急速な経済成長は課題をもたらすと述べている。

　さらに、東南アジアの電力需要は今後数年間で年率4%増となると予測。風力や太陽光などのクリーンエネルギーのほか、バイオエネルギーや地熱発電を活用することで、2035年までに同地域のエネルギー需要増加分の3分の1強をカバーできるとの見通しを示した。

　一方で、21世紀半ばまでに同地域のエネルギー関連のCO2排出量は35%増となる見通しで、さらなる対応策が必要であるとしている。