7月期の消費者物価指数(CPI)は5.6%もの上昇となり、全面的なインフレの前兆ではないかと憂慮されている。しかし、国家発展改革委員会価格司の曹長慶司長はこうした見方を否定し、当面の物価上昇は構造的な上昇であるとし、以下のように解説した。 影響が最も大きい食品、住居費 中国の総合価格水準は、2005年に1.8%、2006年に1.5%上昇し、基本的に安定を維持したが、昨年第4四半期に食糧価格が高騰し、今年4月から5月にかけて食用油、豚肉価格が大幅に高騰した。そのため、今年に入ってからの価格水準は顕著な上昇を示している。特に5月の住民消費価格総合水準は3.4%の上昇、6月は4.4%、7月は5.6%と上昇幅は月を追うごとに拡大し、7月の上昇幅はこの10年間で最高となった。 住民消費価格指数は8種類に分けられているが、1〜7月の食品と住居費関係の価格上昇が最も大きく影響した。1〜7月期に食品価格は8.6%上昇して、総合価格水準を2.9ポイント押し上げた。また、住居費関係は4.1%上昇し、総合価格水準を0.5ポイント押し上げた。食品価格の大幅な上昇の原因として、農産品価格の上昇、国際市場価格の高騰、コスト増大の3つが影響したと考えられる。 大多数の家庭は物価上昇を受け入れ可能\r 国家統計局の試算によると、食品価格の上昇によって生活費の支出は1人当たり毎月約12元増えるが、今年上半期に都市住民の可処分所得は14.2%増え、農民の現金収入は13.3%増えている。都市住民は1人当たり毎月約146元、農民は1人当たり毎月約52元の増収になる計算であり、したがって、大多数の家庭では食品価格の上昇を受け入れることは可能である。 特に物価上昇による影響が最も大きい都市の低収入層に対しては、政府も様々な措置を採っている。第1に、企業退職者の基本養老年金の基準を引き上げた。第2に、最低賃金基準と都市住民最低生活補助水準を引き上げた。第3に、都市と農村の貧困住民に対する臨時補助を強化した。 なお、食費と住居費以外では、1〜7月に、娯楽・教育・文化用品及びサービスは1.3%下がり、交通・通信は0.5%、衣類は0.1%下がった。1〜7月期の工業製品出荷価格の上昇幅は前年同期に比べ0.2ポイント下がり、原材料・燃料・動力買入価格は前年同期比2.3ポイント下がった。 (金融界 8月21日)
7月期の消費者物価指数(CPI)は5.6%もの上昇となり、全面的なインフレの前兆ではないかと憂慮されている。しかし、国家発展改革委員会価格司の曹長慶司長はこうした見方を否定し、当面の物価上昇は構造的な上昇であるとし、以下のように解説した。
影響が最も大きい食品、住居費
中国の総合価格水準は、2005年に1.8%、2006年に1.5%上昇し、基本的に安定を維持したが、昨年第4四半期に食糧価格が高騰し、今年4月から5月にかけて食用油、豚肉価格が大幅に高騰した。そのため、今年に入ってからの価格水準は顕著な上昇を示している。特に5月の住民消費価格総合水準は3.4%の上昇、6月は4.4%、7月は5.6%と上昇幅は月を追うごとに拡大し、7月の上昇幅はこの10年間で最高となった。
住民消費価格指数は8種類に分けられているが、1〜7月の食品と住居費関係の価格上昇が最も大きく影響した。1〜7月期に食品価格は8.6%上昇して、総合価格水準を2.9ポイント押し上げた。また、住居費関係は4.1%上昇し、総合価格水準を0.5ポイント押し上げた。食品価格の大幅な上昇の原因として、農産品価格の上昇、国際市場価格の高騰、コスト増大の3つが影響したと考えられる。
大多数の家庭は物価上昇を受け入れ可能\r
国家統計局の試算によると、食品価格の上昇によって生活費の支出は1人当たり毎月約12元増えるが、今年上半期に都市住民の可処分所得は14.2%増え、農民の現金収入は13.3%増えている。都市住民は1人当たり毎月約146元、農民は1人当たり毎月約52元の増収になる計算であり、したがって、大多数の家庭では食品価格の上昇を受け入れることは可能である。
特に物価上昇による影響が最も大きい都市の低収入層に対しては、政府も様々な措置を採っている。第1に、企業退職者の基本養老年金の基準を引き上げた。第2に、最低賃金基準と都市住民最低生活補助水準を引き上げた。第3に、都市と農村の貧困住民に対する臨時補助を強化した。
なお、食費と住居費以外では、1〜7月に、娯楽・教育・文化用品及びサービスは1.3%下がり、交通・通信は0.5%、衣類は0.1%下がった。1〜7月期の工業製品出荷価格の上昇幅は前年同期に比べ0.2ポイント下がり、原材料・燃料・動力買入価格は前年同期比2.3ポイント下がった。
(金融界 8月21日)