財政部による石油製品輸入にかかる付加価値税還付措置について、中国石油化工(SINOPEC)筋は、こうした措置により赤字は減るものの、根本的な解決策にはならないと指摘した。 同筋の試算によると、現在石油製品の国際価格は、トン当たりに換算して、ガソリンが1,005ドル、人民元換算で7,035元、軽油が975ドル、人民元にして6,825元である。石油製品の輸入に対しては、1%の関税と17%の付加価値税が課されるので、税込みのCIF価格はガソリンが8,300元、軽油が8,000元になる。 しかし、付加価値税が還付されたとしても、国内のガソリンと軽油の出荷価格との差は依然1,000〜1,500元に上る。しかも、この価格には輸送費は算入されていない。付加価値税調整前の石油製品販売による赤字はトン当たり2,000〜3,000元になる。したがって、付加価値税調整によって赤字は若干減るにしても、石油製品輸入の赤字構造には根本的な変化はない。 なお、SINOPECの3月期のガソリン生産による赤字はトン当たり2,162元に上り、軽油生産による赤字は3,000元を上回った。また、昨年のSINOPECの製油部門の赤字は136億元に達した。石油製品輸入の絶対量は小さいので、付加価値税可能措置によって削減される赤字も、全体から見れば微々たるものに過ぎない。 国際原油価格が1バレル76ドル以下に下がらない限り、SINOPECの製油部門が収支トントンにさえならない。それ以外に赤字を削減しようとしても、低質油の精製拡大による製油コスト引き下げや高付加価値製品、価格規制対象外の石油製品の生産拡大など方法と効果が限られる。 (上海証券報 4月16日)
財政部による石油製品輸入にかかる付加価値税還付措置について、中国石油化工(SINOPEC)筋は、こうした措置により赤字は減るものの、根本的な解決策にはならないと指摘した。
同筋の試算によると、現在石油製品の国際価格は、トン当たりに換算して、ガソリンが1,005ドル、人民元換算で7,035元、軽油が975ドル、人民元にして6,825元である。石油製品の輸入に対しては、1%の関税と17%の付加価値税が課されるので、税込みのCIF価格はガソリンが8,300元、軽油が8,000元になる。
しかし、付加価値税が還付されたとしても、国内のガソリンと軽油の出荷価格との差は依然1,000〜1,500元に上る。しかも、この価格には輸送費は算入されていない。付加価値税調整前の石油製品販売による赤字はトン当たり2,000〜3,000元になる。したがって、付加価値税調整によって赤字は若干減るにしても、石油製品輸入の赤字構造には根本的な変化はない。
なお、SINOPECの3月期のガソリン生産による赤字はトン当たり2,162元に上り、軽油生産による赤字は3,000元を上回った。また、昨年のSINOPECの製油部門の赤字は136億元に達した。石油製品輸入の絶対量は小さいので、付加価値税可能措置によって削減される赤字も、全体から見れば微々たるものに過ぎない。
国際原油価格が1バレル76ドル以下に下がらない限り、SINOPECの製油部門が収支トントンにさえならない。それ以外に赤字を削減しようとしても、低質油の精製拡大による製油コスト引き下げや高付加価値製品、価格規制対象外の石油製品の生産拡大など方法と効果が限られる。
(上海証券報 4月16日)