Argus Media社アジア太平洋地区総支配人のJason Feer氏は、先頃開催された第6回中国国際石炭大会の席上、世界、特にアジア地域の石炭需要の大幅な拡大によって石炭価格は今後さらに上昇するとの予想を示した。

　Feer氏によると、需要、供給、環境保護及び輸送費が世界及び中国の石炭価格を左右する主要要因であるが、今後、南北アメリカの石炭需要が着実に増加し、欧州の需要が安定に向かうとともに、アジア地域の需要が拡大することは世界石炭市場の主要な流れになる。供給面では、中国の一般炭の輸出が2005年の6,000万トンから2007年に4,500万トンに低下したが、中国の輸出の減少は市場価格に圧力をもたらす。また、欧州の炭素税や米国の酸化硫黄、一酸化炭素排出に対する課徴金の増額など環境保護上の要請が石炭価格の上昇を招く。さらに、輸送コストの上昇が石炭自身の価格上昇を上回る可能性があり、そのこともまた石炭のコストに重大な影響を及ぼす。さらに、発電用の石炭需要の大幅増や石炭液化、DME生産用の需要も拡大するため、中国の石炭の需要はますます高まる。

　Feer氏は以上のような見通しを示した上で、次のように提言する。中国は速やかに国内のインフラを完備し、国内の電力市場構造の調整を進めるべきである。例えば、天然ガスの利用や石炭の効率的な利用を推奨すること、電気料金を引き上げることなどは、国際石炭市場に対する衝撃を緩和する上で最良の方法になる。

　中国の石炭輸入に関しては、一般炭の輸入が2005年の500万トン強から2007年には1,300万トン余りに増えている。特にインドネシアからの輸入が急速に増加し、2005年には200万トン余りであったのが、2007年には1,100万トンに拡大した。一方、ロシアとオーストラリアからの輸入は若干減少した。Feer氏はこの点につき、オーストラリアからの石炭輸入が減少した主な理由は、同国の石炭価格が高騰したからであると指摘した。

　（中国煤炭資源網 4月18日）