1. HOME
  2. 中国 【新エネルギー】

中国
【新エネルギー】

DMEによる石油代替を拡大 将来の天然ガス不足に対応…広州 (08/04/21)
2008/4/21
中国【新エネルギー】

 広州控股(ホールディングズ)は株主総会において、8.37億元を投じて広州南沙に年産100万トンのDMEプロジェクトを建設する方針を打ち出した。広州にとって100万トンクラスのDMEプロジェクトはこれが2番目になる。

 このプロジェクトでは、広州控股の全額出資子会社である広州発展天然気投資有限公司と広州控股の子会社である広州発展碧辟油品有限公司の共同出資により広州南沙発展代替燃気有限公司を設立し、同公司が広州南沙でDMEプロジェクトの投資、建設に当たる。すでに認可を受け、第1期の建設規模は年間20万トンになる。

 広州控股の楊丹地董事長(会長)の説明によると、このプロジェクトは南沙の都市ガス網への供給に備えるものである。南沙への天然ガスは現在大鵬公司が供給しているが、しかし、大鵬公司が広州に供給している天然ガスは42万トン足らずであり、今後も150万トンを上回ることはない。2015年には天然ガス不足量は200万トン以上になると見られる。

 DMEはガソリンや軽油の代わりに自動車用燃料として使用できるだけでなく、LPGの代わりに民生用ガスとして利用することも出来る。クリーン・エネルギーの一種であり、経済性も高く、潜在市場は大きい。

 広州の最初のDMEプロジェクトである南沙における久泰能源(広州)有限公司の第1期プロジェクトは2007年9月に操業を開始した。すべて完成すると120万トン規模に達する。久泰能源の李強総経理(社長)によると、同社のDMEの原料であるメタノールは主に海外から調達している。しかし、久泰能源は内蒙古に埋蔵量4億トンの石炭資源を有し、石炭からメタノールを精製してDMEを生産することも可能である。また、同社は広州のDME事業を大同で投資している炭鉱との一連の産業連鎖に連携することも出来る。

 華南理工大学の華賁教授によると、現在中国で投資が進められているDMEプロジェクトは800万トン近くに上る。華賁教授は、近年DMEへの投資がますます盛んになっている理由として、油価の高騰が続く中で、DMEが代替燃料として利用価値の大きいことを挙げる。例えば、LPGに混入する場合でも、20%以下ならばLPGの発熱量に変化は生じない。また、LPGの販売価格がトン当たり6,000〜7,000元であるのに対して、DMEの生産コストは約4,000元であり、その点でも市場潜在力は大きい。上海ではDMEを動力とする自動車の普及が打ち出されている。DMEは普及さえ進めば、他の動力に比べて経済的であり、産業政策の面でも、国家発展改革委員会(NDRC)がDME産業を支援している。

 (中国能源網 4月21日)