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中国
【石炭】

山西省のコークス企業がトン当たり100元の値上げと30%の減産へ 連鎖反応の及ぶ鉄鋼企業が激しい反発 (08/05/03)
2008/5/5
中国【石炭】

 年初から現在にかけ、コークス用原料炭価格はトン当たり平均300〜390元上昇し、上昇幅は40〜50%に上った。コークス1トンの生産に要する原料炭を1.4トンとすると、コークス1トンの原価は420〜540元上昇したことになる。コークス用原料炭価格高騰の背景には、小炭鉱の閉鎖による生産量の激減があるが、一方、海外のコークス用原料炭価格の高騰も中国国内のコークス用原料炭価格を押し上げている。先頃終了した日豪石炭交渉では、コークス用原料炭価格は98ドルから300ドルに上昇した。200%もの上昇となっており、中国国内のコークス用原料炭価格に比べトン当たり約1,000元高い。

 山西省臨汾のコークス工場の社長である常建国氏によると、これまでコークス出荷価格をトン当たり500元値上げしたが、それでも原価の伸びが値上げ幅を上回っており、その他の経費も入れると1トンにつき100〜200元の赤字になる。

 そのため、山西焦化集団など多くのコークス企業は5月にコークス出荷価格を100元値上げするよう計画している。また、生産量を抑えなければ値上げを実現することは出来ず、黒字への転換も出来ないとの判断から、複数の大企業は山西省のコークス企業100社あまりに対し30%の減産令を出した。

 だが、コークス企業の値上げと減産の動きに対し、コークスの最大の需要家である鉄鋼企業は反発した。

 山西安泰集団筋は、コークスが100元上昇すると、粗鋼1トン当たりのコストは40〜50元上昇するが、一方、国内の粗鋼価格はこの2ヶ月でトン当たり200元下落したと指摘する。中国鋼鉄工業協会の劉振江副会長は、コークス価格の大幅な高騰は必然的に鉄鋼価格の高騰を招くと強調する。

 こうした中、鉄鋼大手は、コスト圧力を鋼材価格の値上げによって転嫁するしかないと表明している。宝鋼は先頃、5月期の圧延鋼材等の300元の値上げや6月期の鋼材先物価格の値上げを通知した。宝鋼の値上げ発表の翌日には鉄鋼大手が次々と宝鋼の後を追って値上げに踏み切った。

 しかし、劉振江副会長は、ハイエンドの製品を生産出来る鉄鋼大手はコスト圧力を製品価格に転嫁出来るが、中小鉄鋼企業は資金力、技術力が脆弱で、値上げの余地が限られており、コストを転嫁することが出来ず、自らかぶらざるを得ないと指摘する。

 (中国能源網 5月3日)