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【石油・天然ガス】

ペトロチャイナの四川大型石油化学プロジェクト 震災後の行方 (08/05/21)
2008/5/22
中国【石油・天然ガス】

 四川大地震発生で 中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)の現地における1,000万トン級製油プロジェクト及び石油化学プロジェクトの行方が焦点になっている。蒋潔敏董事長(会長)は、見積もりの結果を見ながら、同プロジェクトを継続するかどうか決定すると表明した。

 四川石油化学プロジェクトの予定地である彭州は今回の震災地区に入っており、蒋潔敏董事長は、地震が彭州に及ぼす影響にはPetroChinaも注目していると表明した。

 蒋潔敏董事長によると、PetroChinaは専門チームを設け、震災の彭州に対する影響について見積もりを進めているが、その結果によっては、PetroChinaが同プロジェクトを放棄することもあり得る。

 四川石油化学プロジェクトは西部大開発戦略の重要プロジェクトであり、西南地区初の製油・化学一体化プロジェクトであるが、もし中止になった場合、現地企業が損失を被ることは避けられない。しかし、PetroChina規画院の院長であり化学工業分野の専門家である顧宗勤氏は、地震発生により、化学工業プロジェクトの前提に変化が生じ、地質条件の影響を優先的に考慮しなければならなくなったと指摘、もし地質条件が良好でなければ、化学プロジェクトのインフラへの投資を増やし、耐震性を高めなければならないとした。実際、今回の地震では、現地の小規模な化学工場でアンモニアが漏洩したケースもある。まして、超大型石油化学プロジェクトの場合、地震発生に伴う全面的な見直しは不可欠になると、顧宗勤氏は説く。

 但し、顧宗勤氏は、これまで西南地区の製油プロジェクトが乏しかったことから、四川に1,000万トン製油所を建設することは国家戦略の見地からも必要不可欠であり、四川石油化学プロジェクトは現地の石油製品供給を確保する上で意義は極めて大きいと付け加えた。また、蒋潔敏董事長は、四川石油化学プロジェクトは中央政府部門と専門家の厳しい審査を経ており、技術や装備も最先進で、信頼性と安全性が極めて高いと述べた。

 (上海証券報 5月21日)