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【石油・天然ガス】

国家税務総局 ナフサ消費税免税法案を提出 (08/05/27)
2008/5/28
中国【石油・天然ガス】

 国家税務総局は26日、「ナフサ消費税免税管理弁法」を提出した。輸入するナフサ及び国内でエチレンや芳香族炭化水素の原料となるナフサについては消費税が免除される。

 今回の免税措置によって、国内の製油所が資源不足を補完するためにナフサを輸入する動きが大きくなり、中国のエチレン産業の日増しに深刻化する原料不足問題の緩和に一役買うだろう。今後拡大する公算の大きいナフサ不足に対して政府が早めに手を打った形である。

 今後数年以内に鎮海、福建、広州、天津など中国のエチレンプロジェクトの新規建設や拡充が次々と進められて、ナフサ需要が拡大し、生産が需要に追いつかない状況になる。2008年のナフサ輸入量は158万トンになる見通しであり、輸出量を13万トン上回って、中国はナフサの純輸出国から純輸入国に転じる。

 一方、原料不足によるエチレン価格の高騰が続いており、2007年には8,000元/tから9,000元/tに上昇した。このため、洗濯用洗剤やプラスチック製品など下流企業は値上げや倒産を余儀なくされている。

 今回のナフサ免税措置により、エチレンの生産コストが引き下げられ、中国石油天然ガス集団(CNPC)や中国石油化工(SINOPEC)傘下の工場でエチレン事業の収益は好転するだろう。さらに、エチレンの下流のプラスチックやゴムの製造コストも下がり、有機化学工業の一層の成長が期待される。

 今回の免税措置によるCNPCの収益へのプラス影響は6億元、SINOPECについては14億元になる見込みである。

 (上海証券報 5月27日)