国際原油価格が1バレル130ドルの大台に乗る中、アジアの石油消費大国は協力を強化している。中国と日本のエネルギー協力の「凍結解除」に続いて、中国と韓国のエネルギー協力にも火が着いている。中国石油天然ガス集団(CNPC)と韓国の大宇インターナショナルはミャンマーの石油・天然ガス共同開発でMOUに調印し、一方、中国石油化工(SINOPEC)は韓国SKエナジーと、武漢エチレン事業における提携で基本合意に達した。これまで、エネルギー分野で独自に戦っていた日中韓が相次いで提携に動いており、アジアのエネルギー消費大国が団結して油価高騰に挑むという、久しく顧みられることのなかった夢がここに至って活発化しつつある。 突如活性化した中韓エネルギー協力 CNPCは、ミャンマーの石油・天然ガス共同開発をめぐる韓国大宇とのMOUについて、詳細は明らかにしていない。CNPCは昨年、ミャンマーのエネルギー省と、同国西海岸の3つの深海鉱区の石油・天然ガス探査事業に関して生産物分与契約に調印した。一方、大宇インターナショナルの率いるコンソーシアムはミャンマー西海岸にある3つの天然ガス田の株式を有している。韓国知識経済省のその後の発表によると、CNPCと大宇は、先にミャンマー西海岸のガス田の1つを共同で探査する公算が大きい。大宇がこのガス田の株式を売却する可能性もある。 中韓の提携は上流分野のみに止まらない。SINOPECと韓国SKエナジーは提携して、武漢で中国中部地区初の大型エチレンプロジェクトを共同で進めることになった。同プロジェクトは中国市場の需要を賄い、中国のエチレン工業の配置を高度化し、石油化学製品の需給ギャップを緩和する。中部地区の経済成長を加速させる上でも意義は大きい。 アジアのエネルギー協力が始動 中韓の上流、下流の提携に先立って、5月上旬には、石油競争で長期膠着状態に陥っていた中国と日本が製油分野で「昨日の敵は今日の友」となった。CNPCと新日本石油が、新日本石油傘下の大阪製油所を共同出資の形で経営することに合意したのである。ともにエネルギー消費大国である中国と日本が、石油分野において資本レベルの提携に至ったのはこれが初めてである。 「合すれば即ち両者の利となり、闘えば即ち相傷つく」という言葉がある。石油と天然ガスの輸入ルートをめぐって熾烈な争奪戦を展開してきたアジア諸国は、昔日のように相互に首を絞め合っていたのでは、漁夫の利を得させるだけで、結局は自らを傷つけることに気がついたのである。 国際油価が高騰を開始したのは2004年。その頃から高油価の下で、アジア諸国に協力の意向が芽生え始めていた。2005年初頭、石油輸入大国である中国、インド、日本、韓国のエネルギー担当閣僚がインドのニューデリーに集まり、中東の石油に対して共同で対抗する力を示すことになった。2006年末には上記のアジア4ヵ国にアメリカも加わって、5ヵ国のエネルギー担当閣僚がエネルギーセキュリティの促進について討議した。あれから18ヶ月近くを経て、アジア諸国のエネルギー協力がようやく行動に移されることになったのである。 (北京晨報 5月30日)
国際原油価格が1バレル130ドルの大台に乗る中、アジアの石油消費大国は協力を強化している。中国と日本のエネルギー協力の「凍結解除」に続いて、中国と韓国のエネルギー協力にも火が着いている。中国石油天然ガス集団(CNPC)と韓国の大宇インターナショナルはミャンマーの石油・天然ガス共同開発でMOUに調印し、一方、中国石油化工(SINOPEC)は韓国SKエナジーと、武漢エチレン事業における提携で基本合意に達した。これまで、エネルギー分野で独自に戦っていた日中韓が相次いで提携に動いており、アジアのエネルギー消費大国が団結して油価高騰に挑むという、久しく顧みられることのなかった夢がここに至って活発化しつつある。
突如活性化した中韓エネルギー協力
CNPCは、ミャンマーの石油・天然ガス共同開発をめぐる韓国大宇とのMOUについて、詳細は明らかにしていない。CNPCは昨年、ミャンマーのエネルギー省と、同国西海岸の3つの深海鉱区の石油・天然ガス探査事業に関して生産物分与契約に調印した。一方、大宇インターナショナルの率いるコンソーシアムはミャンマー西海岸にある3つの天然ガス田の株式を有している。韓国知識経済省のその後の発表によると、CNPCと大宇は、先にミャンマー西海岸のガス田の1つを共同で探査する公算が大きい。大宇がこのガス田の株式を売却する可能性もある。
中韓の提携は上流分野のみに止まらない。SINOPECと韓国SKエナジーは提携して、武漢で中国中部地区初の大型エチレンプロジェクトを共同で進めることになった。同プロジェクトは中国市場の需要を賄い、中国のエチレン工業の配置を高度化し、石油化学製品の需給ギャップを緩和する。中部地区の経済成長を加速させる上でも意義は大きい。
アジアのエネルギー協力が始動
中韓の上流、下流の提携に先立って、5月上旬には、石油競争で長期膠着状態に陥っていた中国と日本が製油分野で「昨日の敵は今日の友」となった。CNPCと新日本石油が、新日本石油傘下の大阪製油所を共同出資の形で経営することに合意したのである。ともにエネルギー消費大国である中国と日本が、石油分野において資本レベルの提携に至ったのはこれが初めてである。
「合すれば即ち両者の利となり、闘えば即ち相傷つく」という言葉がある。石油と天然ガスの輸入ルートをめぐって熾烈な争奪戦を展開してきたアジア諸国は、昔日のように相互に首を絞め合っていたのでは、漁夫の利を得させるだけで、結局は自らを傷つけることに気がついたのである。
国際油価が高騰を開始したのは2004年。その頃から高油価の下で、アジア諸国に協力の意向が芽生え始めていた。2005年初頭、石油輸入大国である中国、インド、日本、韓国のエネルギー担当閣僚がインドのニューデリーに集まり、中東の石油に対して共同で対抗する力を示すことになった。2006年末には上記のアジア4ヵ国にアメリカも加わって、5ヵ国のエネルギー担当閣僚がエネルギーセキュリティの促進について討議した。あれから18ヶ月近くを経て、アジア諸国のエネルギー協力がようやく行動に移されることになったのである。
(北京晨報 5月30日)