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【エネルギー全般・政治経済】

仮設住宅建設など被災地復興需要でエチレン需要が拡大 高価格でもナフサ輸入拡大に動くPetroChina (08/06/03)
2008/6/4
中国【エネルギー全般・政治経済】

 四川地震被災地区の復興によってエチレン材料の需要が増え、エチレン及びその原料となるナフサが逼迫傾向を強めている。そのため、中国石油天然ガス股フェン公司(PetroChina)はナフサの輸入を増やしており、国税総局もナフサ輸入にかかる消費税の免税措置を取って、輸入を奨励している。

 PetroChinaは29日、撫順石化、大連石化、華北石化に対して45日以内に1.5万トンのスチレンを緊急生産するよう求めた。一方、四川省建設庁の計画によると、8月10日までに100万軒の仮設住宅を建設する必要があり、そのため大量の発泡スチロールを要する。このため、専門家は、発泡スチロール価格が10%上昇すると見ている。

 被災地区のエチレン材料に対する大きな需要に加え、原油高もエチレンやアロマチックハイドロカーボン製品の価格を大幅に押し上げている。

 中国のエチレン自給率はわずか50%であり、製品の供給は需要に追いつかない状態にある。そのため、原材料のナフサの需要が拡大している。中国はナフサについても50%を輸入に依存しており、ナフサ輸入量は毎年50%もの増加を示している。

 PetroChinaはサウジアラビアのサウジアラムコ社と7〜12月のナフサ売買契約を結んでおり、サウジアラムコから10〜20万トンのナフサを輸入することになる。1トン当たりの契約価格は相場よりも15ドル高いとのこと。

しかし、PetroChina所要のナフサは約60万トンで、サウジアラムコからの供給だけでは不十分であり、PetroChinaはKuwait Oil Companyとも交渉している。

 韓国とインドネシアのナフサは価格面で優れているため、2007年の中国のナフサ輸入先のほとんどが韓国とインドネシアであった。今回、PetroChinaが相場より15ドル高い価格にも関わらずサウジアラムコと契約したのは、ナフサ輸入に対する消費税の免税措置に刺激されたと見られる。

 (毎日経済新聞 6月3日)