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【省エネ・環境】

上海市 省エネ電灯100万本の普及に財政補助 (08/06/10)
2008/6/10
中国【省エネ・環境】

 上海市は今年100万本の省エネ電灯普及の任務を国から課せられ、目下、助成による普及案を検討している。省エネ電灯の使用によって、1.9億kWhの節電が可能になり、その結果、発電用石炭10万トンを節約し、CO2排出を1.3万トン、SO2を1,930トン削減することが出来る。

 上海市経済委員会の担当者によると、省エネ電灯への補助金は企業に交付されるが、最終的には市民が利益を受ける。新たな助成制度によって、省エネ電灯市場にゴーサインが出される。例えば、政府の助成によって企業の省エネ電灯生産のインセンティブが高まり、品質の向上やコストの引き下げが進み、販売量がより一層拡大する。企業にとっては、販売数が多ければそれに応じて補助金も多く得られる。企業は供給価格から補助金を差し引いた価格で消費者に販売することになり、最終的な受益者は消費者になる。

 消費者がこれまで省エネ電灯を歓迎しなかった理由に、「節電になっても節約にならない」ということがある。白熱電灯は1本2元であるのに対し、省エネ電灯は10数元になる。省エネ電灯の寿命は白熱電灯の5倍とのふれこみであるが、実際には数ヶ月足らずで使えなくなるものもある。電気代の節約分では白熱電灯との差額分を埋めることが出来ないのである。また、出力が基準に達していない省エネ電灯もある。

 上海市省エネ協会の専門家によると、省エネ電灯の市場には2つの大きな問題が存在している。第1に、規範がなく、検査にパスしていない製品が市場に入り込んで、玉石混交状態を呈している。第2に、製品の寿命が短い。企業は技術革新に前向きではなく、新製品を積極的に開発しようとはしない。生産コストは高いままである。

 一方、企業のエネルギー管理も十分でない。市省エネ協会は先頃重点企業23社の省エネ状況に対してサンプル調査を実施したが、その結果、大多数の企業で省エネ電灯を取り付けていないことが分かった。企業の年間の電気代がいくらになるかを知らない管理担当者もいる。

 専門家は、企業の省エネを進めるため、エネルギー管理契約の普及を図るべきであると提唱する。省エネサービス機関が企業に、エネルギー改造プロジェクトの設計、融資、施工、調整、メンテナンス等の一括サービスを提供し、省エネサービス機関は省エネプロジェクト実施後の経済収益の分け前に与る形である。

 省エネ電灯普及による節約効果は相当なものなると専門家は言う。例えば、一般蛍光灯12万本を使用していた某企業が省エネ電灯に代えると、45%の省エネを実現し、照明用の電気代を年間1,000万元余り節約した例もある。

 (国際能源網 6月10日)