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【石油・天然ガス】

中国のLPG市場価格が今後も引き続き上昇する4つの要因 (08/06/11)
2008/6/12
中国【石油・天然ガス】

 中国のLPG市場価格は、シーズオフになっているにも関わらず高騰している。LPG市場価格は次の4つの要因によって今後も上昇が続くと考えられる。

 (1) 原油高がLPG価格を押し上げ

 原油高はLPG価格を押し上げる基本要因である。国際原油価格の上昇傾向が変わらない限り、LPG価格の上昇にも変化はない。

 (2) 石油製品価格の逆さやによる刺激

 石油総精製量の中で石油製品が60%以上を占めるが、当面の統制されている石油製品価格の下では、製油企業はいずれも赤字状態にある。一方、国定価格の適用されない石油化学製品の中でLPG大きな比率を占め、そのため製油企業は赤字減らしのためにLPG価格を値上げすることになる。また、LPGの内外価格の連動も急速に進んでおり、特に沿海地区では国際原油価格に合わせてLPG市場価格の上昇が進む。さらに、交通運輸が便利になったため、沿海地区の価格差は急速に内陸部にも伝わり、内陸部の企業の値上げに拍車をかけることになる。

 (3) 都市の環境保護型燃料として依然LPGが主流

 この数年、西気東輸パイプラインの完成などによって天然ガスが都市生活に入り込むようになり、LPGからの転換が進んでいるものの、依然多くの制約要因があり、LPGから天然ガスへの全面的な転換は出来ないままである。例えば、南京市の都市天然ガスユーザーは50万世帯に達しているが、100万世帯以上のボンベ入りLPGのユーザーに比べると依然少数である。今年初めに発生した大雪災害の際、南京市は新規都市ガスユーザーの開拓を減速させ、天然ガスの不足を補うため、パイプライン天然ガスに液化ガスなど他の燃料を混入して、厳冬の民生用需要に対応した。

 また、石炭価格が高騰しているため、パイプライン石炭ガスのコストも次第に上昇しつつある。今年に入って以来、天然ガスや石炭ガスの価格がいずれも上昇し、そのことがLPGの市場価格を押し上げているのである。

(4) 市場の需給関係が変化

 国際原油価格の高騰に伴い、中国国内の重油価格が上昇している。多くの企業は重油を節約するため、代替燃料の使用を図っており、そのため、ますます多くのLPGが生産分野に流入するようになった。LPGのオフシーズンも、安定的な工業分野の需要によって相殺され、その結果、LPGの高値が続いているのである。

 (中国石化報 6月11日)