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中国
【エネルギー全般・政治経済】

中国の工業構造が一段と高度化 (2007/08/27)
2007/11/22
中国【エネルギー全般・政治経済】

政府のマクロ政策が効を奏し、中国の経済構造調整が進展している。工業構造の高度化が急速に進み、経済成長はスピードが速いだけでなく、質的にも向上した。

 今年上半期のGDPは10兆6,768億元、前年同期比11.5%増となった。この4年間、中国経済は年平均10.4%の成長を遂げたことになる。2002年の共産党第16回代表大会は、経済構造の戦略的調整を進め、産業構造の高度化を推進し、ハイテク産業が先導し基礎産業と製造業が支えとなりサービス業が全面的に発展する産業構造を形成するよう提唱したが、この5年間で中国の経済構造調整は大きな進展を遂げ、経済発展の基礎的条件は顕著に改善された。

 2003年以降、党中央は、工業によって農業を育成し、都市によって農村を支える方針を確定して、農村改革を加速し、農村への投資を拡大し、農業の安定的な発展を促進し、農業の基礎的地位を強固なものにした。

 同時に、工業構造の高度化が急速に進み、ハイテク産業は進歩を遂げた。2006年のハイテク産業の付加価値生産額は9,649億元に達し、世界第3位に躍り出た。2002年の2.5倍に当たり、GDPに占める比率は2002年より1.48ポイント高い4.61%に達した。

 情報、バイオ等のハイテクも広範囲で応用と浸透が進み、伝統産業の高度化を促進して生産方式や生活様式を変化させた。

 装備製造業はこの5年間で急速に台頭し、付加価値生産額は2002年の3.4兆元から、2005年には6.9兆元に拡大した。大型ガスタービン、揚水式発電ユニット、直流送電設備等の国産化が実現し、100万トン級のエチレンプラント国産化プロジェクトがスタートした。

 紡績、建材、金属、化学等の伝統工業も急速な高度化が進んでいる。産業技術水準は著しく向上した。30万kW以上の火力発電ユニットの占める比率は2002年に比べ8.4ポイント上昇した。超臨界、超々臨界ユニットが亜臨界ユニットに代わって新世代の主力ユニットになりつつある。省資源と汚染物排出削減のため、小型火力発電の閉鎖と高効率発電ユニットへの転換が進んでいる。2007年6月の時点で小型火力発電ユニット551万kWが閉鎖された。電力網の建設は、省の境界を超えた広域送電網と全国相互連携という新たな段階に入った。

 鉄鋼産業では、宝鋼、武鋼、鞍鋼など大型企業の技術装備はほぼ国際先進水準に達した。鉄合金産業では時代遅れの生産能力50万トンを淘汰した。製品構造の改善も進み、鋼材の中でも付加価値の高い帯鋼の比率は2002年の25.67%から2006年には33%に上昇した。

 産業の集中度も向上した。石炭、鉄鋼、建材、金属等の産業では企業の合併・再編が進められ、大型企業グループが育成された。企業構造の高度化とともに、企業の管理水準と研究開発能力も増強され、世界の先進水準との格差が縮まった。2006年の自動車産業の上位10社が占める比率は2002年よりも2.4ポイント高い83.9%に達した。鉄鋼産業では、年産500万トン以上の企業の比率は2002年に比べ16ポイント高い52%に達している。

 サービス業も着実な発展を示している。2006年の付加価値生産額は8.27兆元となり、2002年に比べ47%もの増加となった。年平均の成長率は10.1%になる。サービス業の就労者数も増加し、全就労者数に占める割合は2002年よりも3.6ポイント高い32.2%に達した。

 (経済日報 8月27日)