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【石油・天然ガス】

石油製品値上げについて発展改革委員会に一問一答 (08/06/20)
2008/6/23
中国【石油・天然ガス】

 発展改革委員会が19日発表した石油製品の値上げについて、発展改革委員会の担当者に話を聞いた。

 記者:今回の石油製品値上げの背景は?

 回答:昨年11月の石油製品値上げ後も国際油価の高騰が続き、特に今年2月以降、急騰して、6月6日には1バレル138.54ドルになった。中国は原油の半分を輸入に依存しているが、国際市場の油価高騰によって、石油製品価格と原油価格の逆ざやが日増しに拡大し、製油企業の赤字が激化した。そのため、地方製油所の中では生産停止や半停止状態になるところも現れて、石油製品の供給に支障を来たし、地区によってはサービスステーションの販売の停止や制限も生じている。石油製品価格を適度に引き上げることは、製油企業を苦境から救って国内の石油製品供給を増やすとともに、石油資源を節約する上で効果が大きい。

 記者:今回の値上げの内容は?

 国際油価の高騰のみならず、社会の各方面の負担能力も考慮した上で、ガソリンと軽油を1トン当たり1,000元、ジェット燃料油を1,500元引き上げることにした。液化ガスと天然ガスの値上げはしない。ガソリンの平均小売基準価格はトン当たり5,980元から6,980元に、軽油は5,520元から6,520元になる。8%の上乗せ幅を織り込んだ全国平均小売価格はガソリン7,540元、軽油7,040元になる。リッターに換算するとガソリンが0.8元、軽油は0.92元の値上げになる。ジェット燃料油は5,950元から7,450元に引き上げられる。

 記者:石油製品値上げによる連鎖反応をどのようにして抑制するのか?

 回答:市民生活と密接に関係する鉄道乗車賃、市バス、農村の旅客輸送(離島間や農村の水路客運も含む)、タクシー、液化ガス、天然ガスは値上げしない。タクシー業界への補助金は増額する。鉄道の貨物輸送費、民間航空の燃油サーチャージや長距離バス料金については適度な調整を認めるが、厳重に規制を加え、石油製品値上げによるコスト増を企業自らが消化するようにして、物価水準の不合理な上昇を抑えることが必要だ。一方では、地方政府の費用徴収を大幅に減免して、経営者の不合理な負担を軽減する必要もある。すでに市場調節価格が適用されている自動車貨物輸送や水運価格については監視を強化して、不合理な値上げを防止しなければならない。野菜、豚などの生鮮農産品を輸送するトラックの道路や橋の通行料は一律に免除する。各地方政府は食糧、食用油、豚肉、野菜等の供給及び価格安定対策を適切に進め、総合物価水準の安定に努力しなければならない。

 記者:石油製品値上げ後の貧困層及び公益事業に対する影響緩和措置は?

 回答:助成措置を強化する。穀物農家に対する国庫からの助成を1ムー当たり5元増額する。国庫及び地方財政から、漁業(遠洋漁業含む)、林業、都市公共交通、農村の道路旅客輸送及びタクシー事業者に補助金を交付する。7月から都市の生活保護対象者1人につき毎月15元の補助金を追加し、農村の場合は、10元追加する。中西部地区についてはその全額を国庫から助成する。各種補助金は国庫から即日支出する。

 記者:石油製品値上げ後、政府は供給確保のためにどのような措置を取るのか?

 回答:第1に、中国石油天然ガス集団(CNPC)と中国石油化工(SINOPEC)に対し、原油精製量を引き上げ、石油製品の生産を拡大するよう求める。第2に、石油製品の輸出を厳重に規制するとともに、輸入を図って、国内への供給を増やす。第3に、地方製油所に対する原油委託精製を拡大して、地方製油所の精製能力を活用し、石油製品の生産量を増やす。第4に、輸送部門との協調を図って、バランスの取れた石油製品供給を図る。第5に、需要側管理を強化し、石油の節約と合理的な利用を進める。

 記者:政府は石油製品市場に対する監督管理をどのように強化するのか?

 回答:各クラス政府の価格主管部局は市場に対する監督と検査を強化して、国定価格政策を履行しない者や、買占め・売り惜しみ、風説の流布、談合による値上げ等の違法行為を厳重に取り締まり、市場の秩序を維持する。国家発展改革委員会は市場に対する監視を強化し、石油製品市場に発生する矛盾と問題を速やかに研究して、石油製品市場の安定を確保する。市場価格に対する巡視を強化し、便乗値上げを断固阻止して、食糧、食用油、豚肉、野菜等の食品価格の安定に努める。

 (人民日報 6月20日)