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【エネルギー全般・政治経済】

迷走する資源税改革案 インフレ圧力のため成立先延ばしの公算 (08/07/08)
2008/7/9
中国【エネルギー全般・政治経済】

 先週、「資源税改革案が提出される」との噂が市場を震撼させ、特に影響の及ぶ石炭株が大幅に下落した。噂では、資源税改革案には従量制から従価制への移行や課税基準の引き上げ(以前の予想3〜5%よりも高い売上の10%)が盛り込まれているとされていた。なお、資源税については今年4月、財政部が、資源の保護や総合利用効率向上のため、従量制から従価制への変更を盛り込んだ改革案を明らかにし、年内にも制定するとしていた。

しかし、政府の税務部門筋は、資源税改革に関わる方案を国務院に提出したことを認めたが、国務院では決定が見送られたとのこと。

 国税総局税収科学研究所の専門家によると、インフレ圧力が大きくしかもオリンピックが間もなく開幕するという状況にあるため、政府の関係部門は物価の変動を引き起こす恐れの大きい政策決定には慎重な姿勢を取っている。資源税改革が実施されると石炭価格の上昇は避けられないからである。

 そうしたところから、平安証券のアナリスト陳亮氏は、資源税改革案が3ヵ月以内に成立する可能性はないと予想し、また、資源税改革は当面の石炭価格臨時干渉措置との間で齟齬が生じると指摘した。

 (上海証券報 7月8日)