中国国内の石炭需給が極めてタイトになる中、中国海関（税関）は28日、研究レポートを提出し、石炭輸出割当制を強化して急拡大する石炭輸出を効果的に抑制するよう提言した。

　5月期の中国の石炭輸入は前年同月比11.3％の416.2万トンに上り、輸入額では同77％増の2.9億ドルとなった。一方、同月の石炭輸出は前年同月比14％増の391.4万トンに達し、輸出額は前年同月の2.6倍に当たる5.2億ドルとなった。中国海関は、国内と国外の価格差のため、石炭輸入が抑えられる一方、輸出のエンジンが強まったと指摘している。

　現在、中国の電力企業の石炭備蓄はいずれも低水準に止まっており、夏季の発電用石炭使用のピークの到来やオリンピック期間中の電力セキュリティ確保措置により、国内の石炭需要はますます増加すると見られている。その上、ベトナムなど石炭輸出国が依然値上げを続けている。

　そうしたところから、中国海関のレポートは、石炭輸出割当制を強化して石炭輸出を抑制するとともに、企業が市場の開拓と多元化を進めるよう誘導し、海外に石炭供給拠点を設けることや長期売買契約を締結することで安定供給を図ることを提言している。

　（上海証券報 7月29日）