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中国
【エネルギー全般・政治経済】

能源外交研究センター主催「中露エネルギー協力問題シンポジウム」 (08/08/01)
2008/8/4
中国【エネルギー全般・政治経済】

 中国国際問題研究基金会能源外交研究センター主催の「中露エネルギー協力問題シンポジウム」がこの程開催され、国家能源局、外交部、国土資源部等の担当官庁や3大石油大手、中国煤業集団、中国中化集団の幹部、エネルギー経済、エネルギー外交やロシア問題の専門家等が中露エネルギー協力の情勢、進展の遅い原因やエネルギー協力推進構想等について検討した。

 同シンポジウムでは、近年中露エネルギー協力は様々な面で進展を遂げたものの、現実にはESPOパイプライン中国支線をめぐる紆余曲折や天然ガスパイプライン交渉の難航など中国側のこれまでの楽観的な予想とは大きな隔たりがあり、部分的な困難と言うよりは大局的な苦境に陥っていると見なさざるを得ないという点で概ね認識の一致を見た。

 また、両国のエネルギー協力が遅れている原因について、ロシア側の政治的決断が後退したわけではなく、具体的な利害をめぐって大きな隔たりがあるためとの見方が示された。しかし、エネルギー戦略、外交戦略、安全保障戦略のいずれの面でも、ロシアは中国とのエネルギー協力を必要としており、ロシア上層部の言論からもロシアが中露エネルギー協力を相当重要視していることが覗える。政治的要因は全く否定できないものの、相対的に言えば、具体的な利利害をめぐる隔たりが決定的な要因になるだろう。

 参会者は、エネルギー協力について高望みすることなく、焦ることなく、対露エネルギー協力の戦略を策定し、各方面の認識を統一し、行動を協調させ、石油・天然ガス、石炭、原子力、電力等の協力を統一的に計画すべきであるとして、次のように指摘した。中露長期石油・天然ガス貿易に関する政府間協定を更新継続して、既存のプロジェクトを速やかに実施する。また、パイプラインに関する協力を進め難い中では技術サービスの推進に当面の重点を置くとともに、石炭に関する協力を新たに拡大する。また、中露エネルギー協力のネックになっている石油・天然ガス価格をめぐる隔たりについては、市場ルールを遵守して速やかな解決を図る。また、副首相級エネルギー協議の仕組を活用する。ウィン・ウィンは中露エネルギーを推進する上で不可欠であり、双方の利益が噛み合うポイントを見出すことが鍵になる。自身の利益を断固として擁護するとともに、相手側の利益と関心にも十分配慮しなければならない。

 (中国能源網 8月1日)