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中国
【石油・天然ガス】

第2四半期の石油消費の伸びが鈍化 原油高と石油製品値上げが原因 (08/08/21)
2008/8/21
中国【石油・天然ガス】

 今年第2四半期の石油見掛け消費量(生産-輸出+輸入)は9,834.8万トン、前年同期比5.2%増となったが、伸び率は第1四半期に比べ3.9ポイント下がった。そのため、上半期の石油見掛け消費量は前年同期比7.1%増の1億9,561.6万トンに止まり、伸び率は前年同期を上回ったものの、第1四半期に比べると2ポイント下がった。

 また、第2四半期の原油見掛け消費量は9,068.4万トン、前年同期比3.7%となったが、伸び率は第1四半期を4.3ポイント下回った。上半期の原油見掛け消費量は1億8,248.6万トン、伸び率は5.8%で、前年同期を1.5ポイント、第1四半期を2.2ポイント下回った。

 石油製品の中では、統制価格の適用されているガソリン・軽油・灯油の見掛け消費量は増加を続け、第2四半期の前年同期比の伸び率は12.4%となったが、第1四半期に比べ4.1ポイント下がった。ガソリンと軽油は、伸び率は第1四半期より下がりはしたものの、10%以上の伸びを維持した。灯油の見掛け消費量は前年同期に比べ1.3%下がった。一方、市場化の進んでいる重油、LPG等の見掛け消費量は大幅な低下が続いた。

 第2四半期に石油見掛け消費量の伸びが第1四半期に比べ減速した原因には国際原油価格の高騰がある。また、6月20日まで国内石油製品価格が据え置かれていたため、製油所や石油製品輸入企業の赤字が拡大し、石油製品供給量の伸びが鈍化したことも原因の1つである。

 さらに、第2四半期及び上半期における石油の実際の消費量は見掛け消費量よりも小さく、中国石油天然ガス集団(CNPC)の専門家は、同時期における実際の石油消費量の伸びはわずか5%に過ぎず、ガソリン・軽油・灯油の実際の消費量の伸びも6%に止まると見ている。

 石油の実際の消費量の伸びが前年同期に比べ低下した原因には、中国のGDP、工業生産高や重工業生産高の伸びが鈍化し、大多数のエネルギー多消費製品の生産量や輸送指標の伸び率も一定幅の低下を示していることが挙げられる。

 今年第3四半期及び下半期に石油の実際の消費量は5%前後の伸びを示す見込みであるが、前年の伸び率に比べると大幅に低下すると予想される。下半期においては、石油の消費増を促す要因として、自動車の生産販売量の増加、異常気象や地震からの再建による生産回復、発電用石炭不足に起因する発電用重油需要の増加、石油備蓄の増加が挙げられるが、逆に石油消費を引き下げる要因として、GDP成長率の鈍化、重化学工業生産の減速、代替エネルギーの開発、省エネの強化などが挙げられる。

 (中国石化新聞網 8月21日)