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中国
【石油・天然ガス】

軽油卸売価格と小売価格の逆ざやが解消 製油助成措置も撤廃の公算 (08/08/21)
2008/8/22
中国【石油・天然ガス】

 中国の軽油価格の逆ざや(卸売価格が小売価格よりも高い)が解消されつつある。世界経済が減速し、国際石油価格が1バレル112ドルに下落する中、多くの製油企業が第4四半期にわずかながらも黒字を上げる見込みが出てきた。一方、これに伴って、製油部門の赤字に対する助成措置も撤廃される公算が高まり、また、エネルギー価格システムの改革も現実になりつつある。

 国内のガソリン・軽油卸売価格は下落を開始した。例えば、北京市の軽油小売価格は1リッター6.23元、トンに換算すると7,900元であるが、卸売価格は1トン7,400〜7,600元に下がり、1トンで300元の粗利が出る計算になる。軽油価格の逆ざやはすでに解消されているのである。専門家は、国際石油価格下落の影響が製油所の経営業績に反映されるにはタイムラグがあり、黒字を上げられるようになるのは第4四半期になってからと見ている。

 一方、製油部門に対する政府の助成措置について、中国能源網の韓暁平氏は、製油所が収益を上げられるようになれば、中国石油化工(SINOPEC)と中国石油天然ガス集団(CNPC)に対する助成政策にも影響が及ぶと見ている。但し、国際石油価格の下落が心理的な効果を上げるまでには到っていないので、下落の政策に対する影響はすぐには現れないと韓暁平氏は見ている。アナリストの索剣偉氏は、そうした心理効果が上がる価格ラインは1バレル100ドルになると見ており、業界関係者の多くも原油先物価格が100バレル以下に下落することが1つのメルクマールになると見なしている。

 いずれにせよ、当面の流れを見る限り、石油企業に対する助成措置が撤廃される可能性は極めて高い。

 (毎日経済新聞 8月21日)