8月31日、第11次5ヵ年規画の重要プロジェクトである「川気東送」パイプラインの着工式が取り行われた。また、同日、国家発展改革委員会副主任・陳徳銘をリーダーとする国家川気東送プロジェクト建設指導チームが北京で発足した。 「川気東送」パイプラインは四川省達州市を起点に6つの省・直轄市を経由して上海に到る全長1,700kmの長距離パイプラインであり、中国石油化工(SINOPEC)が627億元を投資して建設、運営に当たる。今回のプロジェクトは、普光ガス田を主なガス供給源とし、普光から上海までの「川気東送」パイプライン本線を建設して、江蘇、浙江、上海を中心にガスを供給する他、達州、重慶、江西、南京、常州、蘇州への専用線や支線も同時に敷設する。 四川省達州にある普光ガス田の天然ガス累計確認埋蔵量は3,500億m3超、2010年には5,500億m3に達する見込みであり、普光ガス田の開発によって20年間の安定供給が確保される。普光ガス田ではすでに14坑のガス井が完成し、12坑が建設中である。産出量の最も多いガス井は日量1,000万m3に達し、それだけで北京市の1日の使用量を賄うことができる。 政府の計画によると、中国の一次エネルギーに占める比率は、現在の3%から2020年には10%に達する。また、2010年には全国をカバーする天然ガスパイプラインのネットワークが基本的に完成し、パイプライン総延長は現在の2.8万kmから4.4万kmに拡大する。 SINOPECはすでにタリム盆地、松遼盆地やオルドス盆地で莫大な天然ガス埋蔵量を発見している。中でもオルドスでは目下生産能力の建設を進めており、河南省、山東省へのガス供給を準備している。普光ガス田の生産量が拡大すれば、上海向け以外にもパイプラインの敷設を検討することになろう。 SINOPEC副総裁・曹耀峰によると、同社は、北は河南省から山東半島まで、南は武漢を経て江西、湖南、福建、広東、さらに香港、マカオまでパイプライン網を広げるよう計画している。SINOPECが今後パイプライン網建設に投資する額は2,000億元を上回る。パイプライン建設のみならず、鋼材、セメント、機械、ガス器具などの分野でも大きな経済波及効果が期待できるだろう。 とりわけ「川気東送」パイプラインの主要供給先となる上海初め長江デルタは、このパイプラインによって経済だけでなく環境保護においても大きな利益を受ける。上海は経済発展を確保しつつ、2010年の上海万博までに大気の質を改善するため、一次エネルギーに占める天然ガスの比率を現在の3.5%から7%に引き上げ、年間使用量を70億m3にするよう計画しているが、「川気東送」は上海にとって第2のガス供給源となり、2010年には上海へのガス供給量の3分の1を占めると見込まれる。 (中国油気管道網 9月3日)
8月31日、第11次5ヵ年規画の重要プロジェクトである「川気東送」パイプラインの着工式が取り行われた。また、同日、国家発展改革委員会副主任・陳徳銘をリーダーとする国家川気東送プロジェクト建設指導チームが北京で発足した。
「川気東送」パイプラインは四川省達州市を起点に6つの省・直轄市を経由して上海に到る全長1,700kmの長距離パイプラインであり、中国石油化工(SINOPEC)が627億元を投資して建設、運営に当たる。今回のプロジェクトは、普光ガス田を主なガス供給源とし、普光から上海までの「川気東送」パイプライン本線を建設して、江蘇、浙江、上海を中心にガスを供給する他、達州、重慶、江西、南京、常州、蘇州への専用線や支線も同時に敷設する。
四川省達州にある普光ガス田の天然ガス累計確認埋蔵量は3,500億m3超、2010年には5,500億m3に達する見込みであり、普光ガス田の開発によって20年間の安定供給が確保される。普光ガス田ではすでに14坑のガス井が完成し、12坑が建設中である。産出量の最も多いガス井は日量1,000万m3に達し、それだけで北京市の1日の使用量を賄うことができる。
政府の計画によると、中国の一次エネルギーに占める比率は、現在の3%から2020年には10%に達する。また、2010年には全国をカバーする天然ガスパイプラインのネットワークが基本的に完成し、パイプライン総延長は現在の2.8万kmから4.4万kmに拡大する。
SINOPECはすでにタリム盆地、松遼盆地やオルドス盆地で莫大な天然ガス埋蔵量を発見している。中でもオルドスでは目下生産能力の建設を進めており、河南省、山東省へのガス供給を準備している。普光ガス田の生産量が拡大すれば、上海向け以外にもパイプラインの敷設を検討することになろう。
SINOPEC副総裁・曹耀峰によると、同社は、北は河南省から山東半島まで、南は武漢を経て江西、湖南、福建、広東、さらに香港、マカオまでパイプライン網を広げるよう計画している。SINOPECが今後パイプライン網建設に投資する額は2,000億元を上回る。パイプライン建設のみならず、鋼材、セメント、機械、ガス器具などの分野でも大きな経済波及効果が期待できるだろう。
とりわけ「川気東送」パイプラインの主要供給先となる上海初め長江デルタは、このパイプラインによって経済だけでなく環境保護においても大きな利益を受ける。上海は経済発展を確保しつつ、2010年の上海万博までに大気の質を改善するため、一次エネルギーに占める天然ガスの比率を現在の3.5%から7%に引き上げ、年間使用量を70億m3にするよう計画しているが、「川気東送」は上海にとって第2のガス供給源となり、2010年には上海へのガス供給量の3分の1を占めると見込まれる。
(中国油気管道網 9月3日)